能登半島の中心駅、七尾。JR 西日本とのと鉄道の共用駅(写真提供/坪内政美)
能登半島の中心駅、七尾。JR 西日本とのと鉄道の共用駅(写真提供/坪内政美)

 漢字パズル誌「みんなの漢字」の好評連載「難珍駅名旅気分」から、石川県の七尾(ななお)線を紹介します。この路線は津幡(つばた)―穴水(あなみず)間のローカル線で、風光明媚な観光資源が豊富な能登(のと)半島をのんびり走ります。運営事業者はJR西日本/のと鉄道。沿線には地元に伝わる知られざる歴史にちなんだ地名がいっぱいです。

【トレンド】赤ちゃんの名前にも鬼滅ブーム?

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■【設問】この駅名、読めるかな?(答えは最後)

Q1 免田
くま川鉄道のあさぎり駅(本県あさぎり町)の旧称である免田は「めんだ」ですが、当駅は「めんでん」とよびます。地名の由来は、中世の荘園制において租税を免除された田があったことによるといいます。

Q2 宝達
「宝達」の地名は、東方にそびえる能登半島の最高峰、宝達山(標高637m)が由来。薬草や金銀、石灰などを多く産出したことから宝達と呼ばれたとされ、現在も金の採掘抗跡が残っています。

Q3 敷浪
日本海に面する「敷浪」の地名は、南隣の宿(しゅく)村の並びに集落ができて宿並と称し、これが転化したことによるといわれています。日本海側には、砂浜を車で走れる「千里浜なぎさドライブウェイ」があります。

Q4 羽咋
「羽咋」は古事記にも登場する地名で、「羽喰」の表記もみられます。古代、垂仁(すいにん)天皇の皇子が一帯にすむ怪鳥を退治した際、愛犬が羽を食い破ったという伝説があり、これが地名の由来と伝わっています。

Q5 千路
駅の南には白鳥の飛来地、邑知潟(おうちがた)があります。「千路」の地名の由来は、邑知潟の古称・千路湖で、かつては湖畔に漁村が広がっていました。現在は干拓によって細長い潟湖となり、その面影はありません。

Q6 徳田
1939(昭和14)年に七尾市に吸収合併された徳田村の玄関駅。江戸時代には幕府直轄領と加賀藩の領地があったことから、徳川将軍家の「徳」と前田家の「田」をとって、「徳田」と命名されました。


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