今オフのメジャー移籍を目指す菅野智之 (c)朝日新聞社
今オフのメジャー移籍を目指す菅野智之 (c)朝日新聞社

 菅野智之は来シーズンどこで投げるのか?

【写真】「平成で最もカッコいいバッティングフォーム」はこの選手!

 今オフ最大の話題、球界ナンバーワン右腕の去就。ポスティングシステムを利用してのメジャー移籍を目指しているが、未だに具体的な話はでてこない。

 菅野の行方次第で日米球界の勢力図が大きく変わる。本人は年内決着を望んでいるようだが、状況は一筋縄では行かない模様だ。来年1月8日の交渉期限までに契約するチームは見つかるのだろうか……。

「僕自身も正直どうなるか分かりません。どこへ行ってもこういう賞をいただけるような活躍をしたいと思ってますし、そのためには想像を絶するくらいの覚悟と決意がないといけないと思う」

 菅野は今シーズン、6年ぶり2度目のセ・リーグMVP受賞を果たした。14勝2敗、防御率1.97と安定した投球を続け、自身3度目の最多勝と初めての最高勝率を獲得。さらにプロ野球記録の開幕投手から13連勝をマークするなど、圧巻の成績で巨人のリーグ連覇に大きく貢献した。先に発表された沢村賞こそ中日大野雄大に譲ったが、名実ともに誰もが認める大エースといえる活躍だった。

「オフから目の色が違った。昨年、チームはリーグ優勝を果たしたが腰痛の影響もあり、不本意な年だった。オフには骨格に合わせた効果的な投球フォームへモデルチェンジするなど、並々ならぬ決意があった。公言はしなかったが、その先のメジャー挑戦のためにも文句のない成績を残したかったはず。コロナ禍もあり難しい年だったが、この成績はさすが。日本一にはなれなかったが、誰もが智之の挑戦を応援している」(巨人関係者)

 19年は腰痛に悩まされた。11勝6敗、防御率3.89と数字的には合格点だが、大事な時期の登板回避も重なった。ソフトバンクに4連敗を喫した日本シリーズでは、0勝3敗で迎えた第4戦の先発を任されたが、6回1/3を4失点(自責点は3)で敗戦投手となった。その後のプレミア12日本代表も腰痛の影響もあり、外れている。国内FA権を行使せずオフにはソフトバンクの千賀滉大、女子ソフトボールの上野由岐子らも参加する『鴻江スポーツアカデミー』の合宿に参加。腰の負担を軽減する身体の動き方を習得するなど、今年にかける思いは強かった。

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腰痛に加えコロナ禍の影響も…