コロコロチキチキペッパーズのナダル(C)朝日新聞社
コロコロチキチキペッパーズのナダル(C)朝日新聞社

 お笑い戦国時代において、今年意外にも勢力を伸ばしたのがコロコロチキチキペッパーズのナダル(35)だ。白いタートルネックに丸坊主、独特の声質から繰り出される「やっべぇぞ!」「イっちゃってる!」などのギャグはすでにお馴染みといったところ。現在、主要な冠番組はないものの、バラエティ番組への単発出演を重ね、その「底意地の悪さ」と「謎のナルシストぶり」で予測不可能なリアクションを取り、爆笑をかっさらう。

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 もともとコロチキは2015年に結成4年目でキングオブコント優勝した実力者。その栄冠を足掛かりに東京進出を決めたが、インパクトの強いナダルだけが活躍することに。今ではその摩訶不思議な言動やビジュアルから“怪人ナダル”と形容されることも多いが、いったいなぜ彼は勢力を伸ばすことができたのか。多数のバラエティ番組を手掛ける放送作家は次のように分析する。

「ナダルさんの人気に火が付いたのは、『アメトーーク!』の企画で彼の不可思議な行動や先輩への悪口などを関係者が密告する『ひんしゅく体験! ナダル・アンビリバボー』が跳ねたからだと思います。この企画はいつもナダルさんへはドッキリ企画として行われ、本人はダマされて登場するわけです。そこで、『熱が出てきた』『ちょっと休みたい』などと子どものような嘘をつき、必死に収録を止めようとする。本来ナダルさんはナルシストすぎて、周りからイジられるのを極端に嫌うため本気で抵抗するのですが、こんな『収録を止めてまでもイジられたくない』という芸人はどこを探してもいないため、業界内では一目置かれるようになったのです。そんなキャラが広く浸透し、自ら怪人キャラを前面に出して使い始めたことが、今の活躍につながったんだと思います」

 たしかに、ドッキリ企画にハメられたときにあらわになるナダルのクズっぷりは、笑いの飛距離としては相当なもの。一方、テレビ情報誌の編集者は「YouTube進出で怪人ナダルのイメージがさらに広がった」と語る。

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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ナダルの底意地の悪さを前面に出したYouTubeの裏には