今大会は初戦で敗れたものの、3番手としてマウンドに上がり2回1/3を投げて無失点と好投。ストレートの最速は149キロをマークし、健在ぶりをアピールした。ピッチングが単調という課題はあるが、今年で27歳とまだまだ若く、社会人の第一線で今後も活躍する可能性は十分にあるだろう。

 伊藤が所属している日本製鉄鹿島を相手に好投を見せたのが元ヤクルトのサウスポー、児山祐斗(三菱重工広島/シティライト岡山から補強)だ。岡山・関西高校時代の2年秋にはエースとしてチームを中国大会優勝、明治神宮大会準優勝に導き、2013年のドラフト5位でヤクルトに入団。一軍出場を果たせぬまま3年間で戦力外となったが、地元のシティライト岡山でプレーを続け、昨年は都市対抗初出場果たしたチームで大きな役割を果たした。

 今年は残念ながらチームは予選で敗退したものの三菱重工広島の補強選手として出場すると、初戦の日本製鉄鹿島戦では5回3失点で勝利投手となり、2回戦でもリリーフで1回2/3を投げて無失点と存在感を見せた。スピードは140キロ前後だがテイクバックで上手くボールの出所を隠し、タイミングの取りづらいフォームが特長。今大会でも与えた四死球は0と、制球力の高さも光る。今年で25歳と社会人の中でも若い部類に入るだけに、来年以降も東京ドームで活躍する姿が見られそうだ。

 野手では北川倫太郎(日本新薬/カナフレックスから補強/元楽天)、船越涼太(ヤマハ/王子から補強/元広島)の補強選手として出場した2人が目立った。北川は明徳義塾時代から強打者として注目され、3年夏の甲子園では2本のホームランを放つなど活躍。楽天では6年間の在籍で17安打に終わったが、2018年からカナフレックスでプレーしている。今大会は補強選手ながら全試合3番打者として出場。準々決勝のHonda本戦では貴重な先制タイムリーを放ち、チームのベスト4進出に貢献した。

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今後もプロ→社会人のルートは増える?