――そういった公文書への意識は、自民党政権になっても変わらないですか?

細野:自民党政権に変わっても、公文書に対する意識が非常に低いというのは、間違いなくありますね。あと、公文書を管理する場所があまりありません。公文書館というのがありますが、スタッフも非常に少ないし、そこにたまっている資料自体も少なくて、結局各省庁に多く残っているんです。そもそもそこが問題ですし、公文書を残すことは歴史に対する責任だということを考えるべきだと思います。

■新型コロナでも公文書のあり方が問われている

――国民のあいだでも公文書に対する意識を高く持たないといけないですよね。

細野:いまは、新型コロナでものすごく大変な作業をやっていると思います。そういう意味では原発問題と重なることがあります。つまり、非公式な打ち合わせも含めてたくさんある中で、どこまで公式な会議として記録を残すかというのは難しい問題です。

 それに、大きく判断が分かれるような場面でそれを書き記す場合に、特定の人の視点が入ったり、バイアスがかかったりすると、その判断を下した人が善人にも悪人にもなりえます。だから、政治的な判断をどのように残すのが正しいのか、けっこう難しいテーマだと思います。ただ、政治家の立場としては、「歴史の法廷に立つ被告」という意識で、いつどう書かれても大丈夫だという覚悟で緊張感を持って会議に臨むべきだと思います。

■政治家はモテるのか

――細野さんはイケメンだしモテるイメージがあるので、政治家のイメージを変えてくれるのではないかと期待しているのですが、政治家ってモテるんですか?

細野:モテないですよ。自由時間がほとんどないしお金もないです。政治家って、選挙区に帰って髪を振り乱して必死で選挙活動をやるのが一番いいとされていますからね。

――06年には不倫騒動を起こしました。にもかかわらず、なぜ選挙で当選できたんですか?

細野:いきなり来ましたね。私はそれまでは一生懸命頑張っていても、全く無名だったし世間から見られているとも思っていなかったんですけど、そこでいきなりああいうことになって大変なことになって。私にとっては、あのときの前と後で紀元前と紀元後ぐらい大きく違うんです。政治家っていうのは、いろいろなものを犠牲にしてやらなきゃいけないものなんだなってすごく思いました。だから人生をかけてもう一度チャレンジしなきゃいけないと思い直しました。

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「私は厚かましいんです」