■すべては外交・安全保障に取り組むために

――なぜそこまでして政治家を続けようと思ったんですか?

細野:私はもともと尖閣諸島の問題や北朝鮮の問題など、日本の安全保障をすごくやりたいと考えて政治の世界に入りました。だから、野党で共産党とも組みながら今の政権を倒すというのは、自分のやりたいことと離れてしまうし、政治家を続ける意味がないと感じてしまいました。だから当然批判を受けることも覚悟で、もう一回皆さんに自分のやりたいことを訴えたいと思ったんです。

――安全保障や外交をやりたいのであれば最初から自民党に入ればよかったと思いますが、それはできなかったんですか?

細野:20年前は自民党が二つに割れて、保守二大政党の雰囲気があった時代なんです。当時、日本新党ができて、その後新進党ができて、その流れの中で民主党ができたんです。

 例えば羽田孜さん(元首相)とか渡部恒三さん(元衆院副議長)とか、そういう人たちがいて、この政党ならいいなと思ったんですよね。でも、その後みなさん引退されて、野党そのもののあり方が随分変わったと思います。

――たった20年で大きく変わるんですね。

細野:20年というと世界も大きく変わります。例えば中国が経済的にも安全保障的にも圧倒的に力をつけてきたし、逆にアメリカの国力は以前では考えられないほど弱くなってきました。だから、政治家も政党も時代に合わせて変わっていかなければならないですよね。

――安全保障や外交は、政権の中枢にいないとできないイメージがあります。私だったら権力があるところに身を置き続けると思うんですが、そういった感覚はありませんか?

細野:たしかに外交・安全保障は、官邸に入ったり閣僚になったりするなど権力の中枢にいるからこそできることがあるかもしれません。しかし、実際は議会など中枢の周辺も含めて、政府と議会の巨大な共同体のような形で動くことも重要なんです。それは外国から見ると大きな一つの力に見えます。だから権力の中枢にいないとできないというものではないんですね。

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「自民党も公文書への意識は低い」