■残念ながら、帰省しない・できない場合はどうする!?

 高齢の両親の健康を考えて、帰省しないことを選ぶ人も多いだろう。その場合でも、一言添えることが重要だ。

「ただ『帰れない』とだけ告げてしまうと、息子・娘や孫の帰省を楽しみにしていた親をもっと悲しませることになります。『お花見のころは行けるようになると思う』など、未来の言葉を添えることで、親にとって希望や目標が一つできます」

 年末年始は仕方がない……でも、お花見の季節になったら会える! 未来へ思いがいくのが喜びにつながるという。

 逆に、コロナ禍だからこその年末年始を考えてみるのはどうだろうか。パソコンや携帯電話などを使って、実家とオンラインでつないで同時に一体感を楽しむのだ。

「購入した正月飾りを見せあう。年始には、お屠蘇を一緒に楽しみ、互いのおせち料理を紹介しながら食べる。カルタもいいですね。同じカルタを用意しておいて、おじいさんとおばあさんが交代で読み手となり、画面の先にいる孫や家族がその札を取って枚数で競うのです。会えない今だからこそ創造力を働かせて、新しい年末年始を過ごしてみましょう」

■コロナ禍だからこそ、正月飾りをきちんとしてみる

 では、コロナ禍だからこそ、年末年始にやっておいたほうがいいことはあるのだろうか。
 
「まず、両親への新年のあいさつを丁寧にすること。その際に『元気でコロナを乗り切ってほしい』と元気な声を伝えること。そして、コロナ禍の今、正月飾りをきちんとしてみてはいかがでしょうか。福をたくさんもたらす年神さまは、松をアンテナにして天からいらっしゃいます。松がないと降りてこられないんですね。そして、降りてきた年神さまは、鏡に鎮座します。正月だからこその、日本古来の伝統を子どもに言って聞かせ、体験させてあげることで、家族に言葉のエネルギーをあげられるのです」

「大丈夫、健康でいられるよ」「その鏡餅を食べれば、より元気になれるね」こんな時期だからこそ言葉の力で家族を元気にし、新しい年を迎えてほしい。(文/AERAムック編集部・長谷川拓美)