巨人坂本勇人は、18年シーズンのオフに5年の複数年契約を結んだ。契約3年目の21年までは固定の年俸5億円、4年目以降は変動制となり契約満了の23年には35歳。実質、こちらも山田と同じく生涯巨人を宣言した形で、坂本自身も「ジャイアンツで最後までプレーしたいという気持ちを今は持っています」と語っている。

「坂本自身はメジャーへの憧れや興味は強かった。本人もその気になった時期もあったが、自身の置かれた立場を考えた。どんな形であれ巨人を出てしまえば、将来古巣復帰しても条件は悪くなる。巨人で歴史的選手になれる可能性は十分で、その方が魅力的に感じるのは当然。持病の腰痛もありメジャーという冒険は自ら封印した。賢明な選択だった。最年少記録の達成はならなかったが巨人での2000本安打達成もインパクトは大きい」(巨人担当記者)

 坂本と同級生のスター選手、ソフトバンク柳田悠岐も、19年オフに年俸5億7000万円プラス出来高で球団最長タイとなる7年契約を結んだ。以前からメジャー志向を公言していたが、故障も重なり海外FA権取得が21年以降まで延びたことも重なった。「そういう運命。フィニッシュです」と現役引退まで福岡の地でプレーすることも示唆した。

「柳田は外野手ということもあり、メジャーでの活躍は期待できた。多くの代理人が契約を結びたがっていたのもその証拠。メジャーのスカウトも常に視察に来ていた。また冗談っぽく言っていたが、引退までには故郷・広島でのプレーも考えていた。それらを差し引いてもソフトバンクの条件や将来性が魅力的だった。チームも国内無双状態が続いている。巨人のV9を抜くなんてことがあれば、柳田の名前は永久に残る」(ソフトバンク担当記者)

 坂本、柳田に加え、19年開幕前に楽天と年俸3億円プラス出来高で7年契約を結んだ則本昂大もいる。また今オフは巨人、阪神などが獲得争いをすると見られていた中日の左腕エース大野雄大が、11月11日にFA権を行使せずに残留すると早々と発表した。大野は年俸3億円プラス出来高払いの3年契約と見られる。

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今後も現実思考の残留が増える?