チョコレートプラネッツ(C)朝日新聞社
チョコレートプラネッツ(C)朝日新聞社
もし逮捕されたらチョコプラのどちらが悪い顔ができるか選手権(公式YouTubeチャンネルチョコレートプラネッツチャンネルの企画「悪い顔選手権」より)
もし逮捕されたらチョコプラのどちらが悪い顔ができるか選手権(公式YouTubeチャンネルチョコレートプラネッツチャンネルの企画「悪い顔選手権」より)

 12月10日、チョコレートプラネットにとって初の全国ネット冠番組となる『アクター芸人が完全生再現 激ヤバ! チョコプラ修羅場劇場2020』(読売テレビ・日本テレビ系)が放送された。現代のさまざまな修羅場を芸人たちが即興コントで再現するという企画だった。

【写真】YouTubeで見せたチョコプラ松尾の「悪い顔」はこちら

 チョコレートプラネットはここ数年、着実にテレビの仕事を増やしてきた。彼らがテレビに出続けられたのは、大衆ウケするポップなコンテンツを継続的に提供してきたからだ。ここで言う「コンテンツ」には、ネタもキャラもギャグも企画もすべて含まれる。

 その中でも彼らが世に出る大きなきっかけになったのが、松尾駿のIKKOのものまねである。IKKOという日本のバラエティ史上屈指のポップ・アイコンを素材にして、松尾がクオリティの高いものまねを演じてみせた。

 本物のIKKOは、ヘアメイクアーティストが本業ということもあり、タレントとしてすれていないところが魅力の天然キャラである。「どんだけー」という定番の返しを期待されて話を振られても、それを察することができずに、別の言葉を発してしまうことも多い。でも、そういう抜けているところがかわいげがあって愛されている。

 一方、松尾版のIKKOは、振りに対して的確に答える「IKKO 2.0」である。芸人としての魂を宿したIKKOは、バラエティでは抜群に使い勝手が良く、本物のIKKOとはまた別の味わいがあった。だからこそ、このものまねはロングランのヒット作になった。

 その後も、チョコレートプラネットは話題作を量産していった。『有吉の壁』から生まれた、明るく元気な「TT兄弟」、クールな魅力の「Mr.パーカーJr.」などのキャラクターが人気になり、彼らのYouTubeチャンネルでは瑛人の『香水』のパロディ動画も驚異的な再生回数を記録した。最近では、YouTubeで公開された「悪い顔選手権」という企画も評判を呼んでいる。

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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チョコプラがスマッシュヒットを連発できる理由とは?