放送作家の鈴木おさむさん
放送作家の鈴木おさむさん
「フルボッコ」状態だった謝罪会見(撮影:伊ケ崎忍)
「フルボッコ」状態だった謝罪会見(撮影:伊ケ崎忍)

 放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、アンジャッシュ渡部健さんの謝罪会見について。

【写真】なぜこんな結果に…芸能レポーターに囲まれて痛々しい表情の渡部健さん

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 何かと話題になっているアンジャッシュ渡部健さんの会見。僕は彼と同じ年の1972年生まれ。10年以上前に僕がパーソナリティーを務めているラジオ番組に出てもらって以来、作り手と芸人さんとして、距離が近い方だとは思っている。

 10年程前は、アンジャッシュとしてネームバリューもあったし、ネタ番組でも人気ではあった。だが、今のように渡部健としてはブレイクしていなかった。

 ラジオに出てもらった時に、とにかく何かをプレゼンする能力が高く、それを見て、テレビ朝日系列の「お願いランキング」に「ホメ渡部」というキャラでなんでも褒めるキャラクターとして登場してもらった。当時、彼をあのようなキャラで毎週、推していったのはあの番組が初めてだっただろうし、渡部君自身も、あれ以来、ホメキャラ&ポジティブプレゼンキャラでブレイクして行ったので、彼自身もすごく感謝してくれている。

 そんな彼のあの会見。あの会見を見てから一週間近くがたつが、正直、謎が残って仕方ない。これはたくさんの人が言っていることだが、なぜ、あの時期にいきなり会見したのか?ようやく鎮火してきたのに、火に油を注ぎまくるような形になった。

 年末の番組出演の収録をしたことがバレてしまったため、会見したという人もいるが、まあ謎が残る。本人がやろうと言ったのか?事務所が言ったのか?これはあくまでも僕個人の想像だが、本人でも事務所でもない、第三者の誰かが会見を強く勧めたのではないかと勝手に思っていたりする。じゃないと、あまりにもおかしいなと。その会見を勧めた第三者も、あんな会見になってしまうとは想像してなかったのかもしれない。

 そして、なぜ、ちゃんとした会見ではなく囲み取材にしたのか?そして、おそらく、質問されるであろうことに、なぜ、彼ほどの人が「言葉」を用意してなかったのか?事前に考えていくことが逆にいやらしく見えると思ったのか?まあ、確かに、うまく返され過ぎても、いら立つ人は多いだろうが、それにしても、である。

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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