例えば、グリーン周りのバンカーから2打以下でホールアウトする確率を示したサンドセーブ率。ルーキーシーズンと昨季の原は、このスタッツがそれぞれ38.98%(53位)と33.07%(82位)だったが、今季はここまで52.63%で14位にまで改善。ミスした後からでもしっかりスコアを作ることができている。

 この傾向は、リカバリー率(パーオンできなかったホールのうちパー以下でホールアウトする確率)にも表れている。過去2年は50%台だったが、今季は60.82%で41位。まだまだ成長の余地はあるだろうが、主にセカンドなどでグリーンに乗らなくてもパーセーブに成功している確率が上がっていることも好成績の要因となっているのだろう。

 また、リカバリーと言えば昨季の渋野ですっかり認知度が増したバウンスバック率だ。バウンスバック率は、ボギーかそれより悪いスコアとなった直後のホールで、バーディかそれより良いスコアをマークする確率を示すが、今季の原はこのスタッツが21.78%で5位。渋野のお株を奪う数字を挙げており、悪い流れをすぐに断ち切りリズムをつかむゴルフをしていることがうかがえる。

 ダブルボギー率も昨季の2.24%(88位)から1.11%(31位)に改善。こうしたスタッツは、今季のラウンド数が少ないため単純に比較することはできないが、いずれにしてもオーバーパーになりにくいゴルフをしていることは明らか。これに加えて、持ち前の飛距離と安定したパッティング(平均パット1.81で26位)があるのだから、今季の躍進があるのは当然と言えるのだろう。

 そして、原の好調ぶりが分かるもう一つの要素が決勝ラウンドに進んでからの強さだ。今季の原の予選通過は14試合中10回だが、そのうちの8試合で予選ラウンド終了時よりも良い順位でフィニッシュしている(JLPGAツアーチャンピオンシップは初日からトップの完全V)。

 優勝した日本女子オープンでは3日目に66、最終日には68で回りメジャー初Vを手繰り寄せたが、樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント最終日では68を記録。前日の40位タイから10位タイまでジャンプアップしトップ10フィニッシュしている。

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全米オープンでの活躍にも期待!