インタビューに応じる加藤鷹氏(撮影/写真部・小黒冴夏)
インタビューに応じる加藤鷹氏(撮影/写真部・小黒冴夏)
「性欲と性行為をイコールにしてはいけません」と指摘。加藤氏自身、性欲を感じたことはほぼないという。(撮影/写真部・小黒冴夏)
「性欲と性行為をイコールにしてはいけません」と指摘。加藤氏自身、性欲を感じたことはほぼないという。
(撮影/写真部・小黒冴夏)

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う生活の変化は、「夫婦の性」にも影響を与えている。アダルト用品大手TENGAが今年9月に実施した20~50代の男女計960人を対象にしたアンケート『新型コロナウイルスと性生活に関する調査』によると、「性欲の強さ」の項目は男女問わず、平時と比べて全体的に低下傾向が見られた。

【写真】「性欲を感じることはほぼない」と語る加藤鷹

 特に減少幅が大きかったのは、最初に緊急事態宣言が出された「7都府県の既婚者・子あり」の層で、コロナ前と比べて0.8%減。この層は「性生活満足度」の項目でも減少幅が最も大きかった。

 また、パートナーがいる人のうち、「セックスレスになった」と回答したのは、5.1%(2020年4月中旬~5月末)だった。コロナ危機の中で生まれたこうした状況を、セクシャルアドバイザーとして性生活の相談に応じている元AV男優の加藤鷹氏(61)は、どう見ているのだろうか。話を聞いた。

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――セックスレスの夫婦が増えている現状について、どのように感じていますか?

セックスレス自体は、いけないことではないと思います。お互いに「性行為を持ち込まない」と決めている夫婦もいると思うし、お互いがそれを理解している関係性なのであれば、それでいいと思います。ですが、現実として多くの方から相談が寄せられるので心配になりますね。そうした不満は蓄積して、離婚や浮気といった形で爆発することになりかねません。

――セックスレスに陥ることによって、どのような弊害が生じるのでしょうか?

夫婦間のセックスがあるか否かで、表面的な害は少ないと思いますが、関係性にはすごく影響すると思います。精神的なものや気分といった、目に見えないものですが、とても重要な要素です。とくに男性の場合、パートナーがセックスをしてくれたという喜びに対して、仕事への頑張りなど、比較的わかりやすい効果を示します。そうした効果を鑑みても、性行為は、交際中のカップルだけでなく夫婦にとっても大事です。

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61歳になっても”減退”しない理由