苦しいシーズンを送ったヤクルトの山田哲人 (c)朝日新聞社
苦しいシーズンを送ったヤクルトの山田哲人 (c)朝日新聞社

 コロナ禍の中で繰り広げられた2020年シーズンが終了した。今季も期待を上回る活躍を見せた選手が多くいた一方で、不振に喘ぎ、開幕前に描いていた青写真とは全く異なる苦しいシーズンを過ごした選手たちがいる。そして、実績のある選手、年俸の高い選手ほど、その風当たりは強い。そんな期待に応えられなかった“ワーストナイン”をセ・パ両リーグ別に選出したい。今回はセ・リーグ編。

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<投手>
■山崎康晃(DeNA)

 2年連続セーブ王、昨季までの5シーズン中、30セーブ以上を4度、防御率1点台を3度マークしてきた日本球界を代表するクローザーにとって2020年はキャリア最低のシーズンとなった。6年目の今年は開幕から不振が続いて、7月下旬に12試合0勝3敗6セーブ、防御率8.74という成績でセットアッパーに配置転換。その後も調子が上がることはなく、10月には二軍降格も経験した。最終的に40試合に登板して0勝3敗8ホールド6セーブ、防御率5.68という不甲斐ない数字は、今季の推定年俸チーム断トツの3億5000万円に見合うものでは全くなかった。ファンの間では「調整不足」、「コロナ太り」と自己管理の甘さも指摘された。リーグ4位と上位に食い込めなかったチームの“負の象徴”となってしまった。

<捕手>
■小林誠司(巨人

 自身初の年俸1億円(推定)の大台に乗せて迎えたプロ7年目だったが、開幕3戦目の6月21日に左手首に死球を受けて左尺骨の骨折で約3カ月の長期離脱。9月中旬に一軍復帰を果たしたが、打撃不振が続いて10月18日から二軍で再調整となると、同20日のイースタン・ヤクルト戦で右手人さし指を負傷し、シーズン2度目の骨折。結果的に一軍出場10試合で18打数1安打の打率.056、0本塁打、0打点に終わった。リーグ連覇を果たしたチームの中で戦力となれず、来季は崖っぷちで迎えるシーズンになるだろう。

<一塁手>
■マルテ(阪神

 来日2年目の助っ人砲。105試合に出場して打率.284、12本塁打、49打点だった昨季からの“上積み”が期待され、開幕戦に「3番・サード」で出場するなど、クリーンナップを任されていたが、左ふくらはぎの張りで7月11日に登録抹消。その後、二軍で復帰と離脱を繰り返し、一軍復帰までに3カ月を要した。最終的な成績は、29試合出場で打率.252、4本塁打、14打点と期待値を大きく下回るものだった。さらに復帰3戦目の10月23日の巨人戦では一塁手として史上ワーストとなる1試合4失策と守備でも足を引っ張ってしまった。

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まさかの不振に陥った選手は?