コロナの影響で実現できなかったが、当初の予定では今年4月から朝の登校後に、椅子に座ったまま呼吸やポーズを行う「椅子ヨガ」を取り入れる予定だったという。

「朝取り組むことで、落ち着いた学校生活をスタートさせる効果が期待できます。来年度からは毎朝の『ウォームアップタイム』として、椅子ヨガを日課表に組み込む予定です」(森田校長)

 同校は今年8月、学校としては全国で初めて、全日本ヨガ連盟公認の「ヨガマネージャー認定講座」の認定を受けた。「ヨガマネージャー」とは、ヨガに関する基本的な知識と技能を身につけ、「ヨガを必要とする人」と「ヨガを適切に教えられる人」との間を取り持つ“橋渡し役”。オンラインで全10回の講座を視聴後、ウェブテストに合格すると認定される。同連盟によると、現在は鹿児島県西之表市(種子島)の学校も認定に向けて検討を始めており、いずれは全国各地の学校に広めていきたいという。

 同連盟としては、ヨガを将来的には義務教育での必修化、つまり学習指導要領に入れることを目標としている。同連盟の関連組織である「ヨガ推進議員連盟」の会長を務める、元文部科学大臣の下村博文衆院議員らへの働きかけも始めている。

 前出の森田校長はこう話す。
「10年ほど前にはダンスが必修化されましたから、ヨガが必修化されたとしてもまったく不思議ではありませんよね。ヨガは体力や筋力がつくうえに、精神的な落ち着きや集中力も得られます。体育の授業はもちろん、朝の椅子ヨガも、ぜひ全国の学校に広がってほしいですね」

(文/白井裕子)