高橋の後を継ぎ、火中の栗を拾う形で原監督が3度目の就任。リーグ連覇を果たすなど、経験豊富な手腕を発揮しチームの立て直しを進めている。

 とはいえ、原監督3度目の就任も長く続くとは限らない。後任としては、昨年限りで現役を引退し2軍監督を務める阿部が既定路線のように思われている。

 今季も9月に元木大介1軍ヘッドコーチが虫垂炎で入院した際、ヘッド代行で1軍ベンチ入りしたこともあった。また1軍練習にも合流するなど、原監督から直接、帝王学を学んでいる姿が見受けられる。

「将来的には阿部2軍監督の昇格は間違いない。生え抜きのスターであり、ファンを含め誰もが望んでいる。編成面まで任されている原監督も、時期監督と考えているからこそ1軍練習へ合流させている。信頼は揺るがないが、まだ時期尚早という声もある。カリスマ性もあり明るい性格、人格的にも優れている。しかしこれまでは現場の野球しかやって来なかったわけだから、勉強することは多い。マネージャーとしてチームを牽引するには、野球以外の知識も必要。もう少し時間をかけて万全な状態でバトンを渡したいというのがある」(巨人担当記者)

 2軍監督として多くの経験を重ねている。その中で大学生チームに敗戦後、チーム全員に罰走を課し物議を醸したこともあった。

 野球での技術や修羅場を経験することの他にも必要不可欠なものがある。今は社会にも通ずる管理職としての技量、人としての器を熟成させている真っ最中。『阿部監督』誕生には万全を期している、というところだ。

「高橋は人間が大きくなった感じがする。大人になった。昔から明るい男だけど、周囲に対してすごく気を配るようになった。また多くの人と会って色々な刺激を得ている。野球解説を見ていても、以前よりわかりやすく自分の言葉で話すようにしている。監督時代の経験や苦労で、自分に足りない部分も認識した。将来、再び監督をやったら、前回よりうまくコミュニケーションを取って組織をまとめると思う」(在京テレビ局関係者)

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高橋由伸は最初の監督経験が生きる?