さらにもう1校、復活を期す東洋大も注目したいチームだ。柏原竜二を擁して箱根初優勝を果たした2009年以降、10年間で4度の優勝を飾り、すべて3位以内という無類の勝負強さを見せてきたが、前回大会はエース・相沢晃の奮闘虚しく10位に沈んだ。再起を図るべく、チームスローガン「回帰と挑戦」を掲げてチームを鍛え直した。

 全日本駅伝では、トップから2分07秒差の6位。順天堂大と同様に1、2年生が充実しており、1区から4区まで児玉悠輔(2年)、松山和希(1年)、佐藤真優(1年)、前田義弘(2年)が襷を繋いだ。距離が伸びる箱根路。怖さ知らずの彼らが伸び伸びと走り、全日本で区間11位と振るわなかったエース・西山和弥が奮闘すれば上位との差は縮まる。そして、前回の箱根で山登りの5区で区間新を叩き出した宮下隼人(3年)が、再び「山の神」となって芦ノ湖に到着することができれば、東洋大の劇的な“復活優勝"があるかも知れない。

 いずれにしても群雄割拠の2021年箱根駅伝。どこが勝とうとも、アンカー勝負となった全日本駅伝同様のデッドヒートになる可能性大。今年はプロ野球もJリーグも“独走"で決着が着いただけに、混戦レースの面白さ、楽しさを、是非ともファンに提供してもらいたい。