【広島】

2020年外国人選手活躍度:C
来季の外国人選手展望:C

・外国人投手合計成績
85試合2勝13敗19セーブ8ホールド

・外国人野手合計成績
136試合99安打13本塁打38打点3盗塁

・外国人選手MVP:フランスア
53試合2勝3敗19セーブ7ホールド 防御率2.45

 先発の柱として長年チームを支えてきたK.ジョンソンが不振で0勝7敗に終わり、新外国人のスコット、D.J.ジョンソンも全く機能しなかった。MVPに選んだフランスアもシーズン中盤からは持ち直したものの序盤は調子が上がらず、投手陣の総崩れが大きく響いた格好だ。野手では新外国人のピレラがそれなりの成績は残したが、オープン戦で好調だったメヒアは打率1割台と不振に陥り、最後まで復調することはなかった。外国人選手の上積みがなかったことが、2年連続Bクラスに沈んだ要因の一つだったことは間違いないだろう。

 来季は長期契約を結んでいるフランスア、メヒアと今季不振だったスコットは残留となる。また新外国人ではネヴァラウスカスとバードの投手二人と、長距離砲であるクロンの獲得を早々に発表した。動きが早かった点は評価できるが、カープアカデミー出身以外の選手ではK.ジョンソン、エルドレッド以降大当たりはいないのが気がかりなところだ。育成契約している選手の底上げも必要になってくるだろう。

【ヤクルト】

2020年外国人選手活躍度:C
来季の外国人選手展望:C

・外国人投手合計成績
78試合8勝11敗0セーブ23ホールド

・外国人野手合計成績
104試合103安打1本塁打30打点6盗塁

・外国人選手MVP:マクガフ
50試合4勝1敗0セーブ23ホールド 防御率3.91

 MVPには50試合に登板したマクガフを選んだが、防御率は3点台後半と決して褒められたものではない。投手ではスアレスが先発で4勝をマークし、野手ではエスコバーが103安打を放っているものの、トータルで見れば12球団でも最低の成績だったと言えるだろう。特に新外国人として獲得したイノーアとクックの両投手がほとんど戦力にならず、投手陣の上積みができなかったことが痛かった。

 来シーズンはスアレスとマクガフの残留が決定しているが、それ以外は入れ替わりとなる。既に複数の候補の名前が挙がっているが、やはり必要なのは頼れる投手だ。現存の二人に期待するのではなく、更なる補強は必要になってくる。FA権を取得した山田哲人、石山泰稚の残留にかなりのコストをかけたことは間違いないが、外国人も積極的に補強しなければ来季も苦しい戦いとなる可能性は高そうだ。

(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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