【日本ハム】

2020年外国人選手活躍度:C
来季の外国人選手展望:C

・外国人投手合計成績
42試合10勝13敗1セーブ4ホールド

・外国人野手合計成績
106試合55安打6本塁打28打点1盗塁

・外国人選手MVP:バーヘイゲン
18試合8勝6敗0セーブ0ホールド 防御率3.22

 MVPは文句なしで新加入のバーヘイゲンになるだろう。調子の波は少しあったものの、開幕からローテーションを守り抜いてチームトップタイの8勝をマークした。アベレージで150キロを超えるスピードは12球団でもトップクラスで、来シーズンも先発の中心として期待される。その一方で他の外国人選手は軒並み低調な成績に終わった。特に野手は新加入のビヤヌエバ、2年目の王柏融ともに戦力にはならず、他球団と比べても外国人選手の貢献度は著しく低かったと言わざるを得ない。これは今年だけではなくここ数年続いているだけに、外国人のスカウティングを見直す必要がありそうだ。

 投手はバーヘイゲンとロドリゲスが残留予定。ロドリゲスは故障で大きく出遅れたものの、シーズン終盤は復活の兆しを見せており、まだまだ若いだけに上積みが期待できそうだ。とにかく気になるのが野手だ。3年契約最終年となる王柏融だけでは戦力的に不足していることは明らかである。課題である長打力不足を解消するためにも、強打者タイプの選手を積極的に狙いたいところだ。

【オリックス】

2020年外国人選手活躍度:B
来季の外国人選手展望:B

・外国人投手合計成績
96試合7勝15敗16セーブ24ホールド

・外国人野手合計成績
192試合165安打30本塁打106打点2盗塁

・外国人選手MVP:ヒギンス
41試合3勝3敗0セーブ19ホールド 防御率2.40

 シーズン開幕前、外国人選手で最も話題となったのはオリックスのジョーンズだ。キャンプでは順調な調整を見せていたものの、開幕が遅れたことで明らかに体重が増えて動きが悪くなり、12本塁打、43打点という微妙な成績に終わった。一方の投手では新外国人のヒギンスが期待以上の活躍を見せた。開幕からセットアッパーに定着し、チームトップの19ホールドをマーク。コントロールはやや不安定だが、球威十分のストレートとブレーキのあるチェンジアップのコンビネーションは安定感がある。また抑えのディクソン、中日から移籍して2年目のモヤも及第点と言える成績で、トータルで見れば外国人選手の貢献度はまずまずと言えそうだ。

 来シーズンは投手ではディクソンとヒギンス、野手では来季が2年契約の2年目となるジョーンズとモヤが残留予定と報道されている。ディクソンとジョーンズは年齢的に少し厳しくなってきているが、実績は申し分ないだけにまだまだ戦力とはなりそうだ。特にジョーンズは来年こそ万全のコンディションでシーズンを迎えてもらいたい。ただ過去を振り返ってもオリックスの外国人は長く活躍した例が少ないだけに、投手、野手ともに新戦力の獲得も検討したいところだ。

(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

著者プロフィールを見る
西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

西尾典文の記事一覧はこちら