だが、はたして秘書の独断で安倍氏が何も知らないということがあり得るのだろうか。前出の角谷氏は疑問を呈する。

「長年、公設第一秘書がやっていたことを、ボスである政治家が何も知らないということは考えられません。ましてや首相であれば、より厳しい監督責任が問われます。もし本当に何も知らなかったら、世間からは間抜けな政治家だという烙印が押されてしまうでしょう。もしこれで秘書だけに責任を負わせることになったら、首相は国会で何を言っても許される、何をやってもいいということになる。中途半端な捜査で終われば、東京地検特捜部への批判も免れないでしょう」

 安倍氏の関与はあったのか、なかったのか。東京地検特捜部の捜査の進展とともに、安倍氏は「正念場」を迎える。(取材・文=AERAdot.編集部・作田裕史)