「スケートをもっともっと頑張るために(京都に)来たので、『毎日練習を一生懸命やらないと』と思っています」(島田)

 幼いながらもしっかりした口調ににじむ覚悟が、島田の成長を支えている。目標とするのは、母がファンであったため名前の由来にもなっている浅田真央だ。

「浅田真央選手みたいに、自分が笑顔で滑っているのはもちろん、観ている人も笑顔にできる選手になりたいです」(島田)

 スケーターとしての理想像をしっかりと持っている島田は、これからも進化し続けるに違いない。

 2位の吉田は、フリー冒頭でトリプルアクセルを成功させている。これからもトリプルアクセルの確率を上げることを目指すというが、ジャンプだけに重点を置いているわけではない。

「ジャンプの加点も少しは増えたかなと思うんですけど、スケーティングとか表現の面でたくさん練習してきたことが少しずつ評価されるようになってきたのかなと。まだまだなんですけど、一歩前に進めたかなと思います」

「(プログラムの)曲調も、ノービスの時よりは大人っぽい曲。今までは、幼い感じが出てしまっていた。今年はバレエとかもたくさんやっているので、そういう面で表現が少しは成長したかなと思います」(吉田)

 吉田がトリプルアクセルだけでなく滑りや表現も磨こうと意識するのは、所属する木下アカデミーで島田や今大会4位の柴山歩(12歳)らと一緒に練習しているからかもしれない。
「ノービスの選手は安定感もあるし、すごく上手。負けたくはないんですけど、ノービスの選手のことも応援したい。お互いいい刺激になって、頑張っていけたらいいなと思います」

「今回は練習してきたことが出せたからギリギリ勝てた、という感じ。ノービスの子達がジュニアに上がってきた時にも勝てるような選手になれるよう、これからもっと先輩として頑張りたいです」(吉田)

 優勝した松生は、フリーは最終滑走で登場している。三つのコンビネーションジャンプをすべて後半に組み込む構成を大きなミスなく滑り切り、頂点に立った。ノービススケーターの好演技でかかったプレッシャーをどう乗り越えたか問われた松生は、次のように答えた。

次のページ
日本女子スケーターの未来は明るい