格闘技ファンにとって朝倉の次戦がいつになるのか、相手は誰なのか、気になるところだろう。来年2月28日に東京ドームで新格闘技イベント「MEGA2021」に出場するボクシングの元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザーと対戦すると取りざたされているが、それも今回の敗戦で遠のいてしまったのだろうか。格闘技業界関係者は「それでも朝倉未来」と話す。

「試合後に負けた相手と『リマッチをやりたい』と思うのは格闘家の性ですが、朝倉選手は格闘技をとことん追求して、多大な情熱を傾けるタイプではなく、どちらかというとビジネスのひとつとして捉えている。試合後の会見では『(メイウェザー戦について)そんなこと言ってる場合じゃない』と話していましたが、本音ではメイウェザーでしょう。試合までの期間や主催者の意向など超えなければならないハードルはたくさんありますが、本人は対戦を望んでいるはずです」

 メイウェザーと対戦する日本人選手については、インターネット上で予想合戦が続いている。今回の敗戦前まで有力候補だった朝倉のほかにも、2018年大みそかに行われた「RIZIN.14」でメイウェザーにTKO負けしたキックボクシングの那須川天心(22)や元RIZINバンタム級王者の堀口恭司(30)などの名前も挙がる。だが、前出の現役格闘家は意外な選手の名を挙げる。

「僕は久保優太選手(33)だと思います」

 久保は東京都立川市出身の初代K-1 WORLD GPウェルター級王者で、20年6月にK-1を引退してボクシングに挑戦することを発表。発表後のインタビューでは「5戦目くらいに世界タイトル戦をやって、パッとチャンピオンになりたい」と語っていた。メイウェザーの相手として、33歳という年齢と、朝倉と比較した場合の知名度の低さが気になるところだが、久保には格闘家とは別にもうひとつの顔がある。

「久保選手はチャンネル登録者数10万人超えの人気格闘家YouTuberとして知られています。K-1王者としての実績もありますし、彼がメイウェザーとやったら盛り上がると思います。というか那須川選手も堀口選手も可能性が低く、最有力候補の朝倉選手が負けてしまった今、実力と人気を考えた場合、久保選手くらいしか思い浮かばない。格闘家の間でも名前が挙がり始めている。可能性は高いと思いますよ」

 来年2月28日に東京ドームのリング上に立つのは朝倉か久保か、はたまた他の選手か。発表が待ち遠しい。

(AERA dot.編集部)