楽しい想像はもちろん、困った時に解決する方法を想像する。お友達の悲しみを想像する。喜ぶことを想像する。そのためにたくさんの経験をして人に、ものに触れてほしい。

 そして、「どうしたらいいと思う?」「どんな気持ち?」と問いかけていくことを大事にしたい。そんなことを答えた。

「それでは、面接はこれでおしまいです」

 と言われ、お辞儀をして園を後にした。

 合格者にのみ、本日中に電話連絡が行きます、と書類に書かれていたけれど、何時ごろかは全く分からない。

 帰宅して昼過ぎまでは、そわそわとしていたけれど、3時になっても4時になっても電話がこない。

 この日、結果がどうであれ、お疲れ様会をしようと、家族3人で近所のお店を予約していた。

 4時半になっても電話はこない。

「とりあえずお店に向かおうよ」と、我々は何ともどんよりした気分で家を出た。

 事情が分からないちびは一人楽しそうなので、我々もがんばるものの、内心気が気じゃない。

 お店の目の前まで来た時、夫のスマホが鳴った。

 合格通知の電話だった。一気にテンションが上がった。

 言っておいてほしい。電話は4時から5時くらいにかけますよと。

 面接が終わって帰宅した11時から5時までの6時間、何も手につかないじゃないか!

 せめて、夕方頃ですよと、教えておいてくれてもいいではないか……。

 ほっとして食事を済ませると、Tさん家族も近所のお店で夕食を取っていることが分かり、顔を出しに行った。

 Tさんママはその日2件はしごした後で、へとへとだった。21時にネット上に結果が出るということで、「飲まずに待ってられないわ」とワインをちびちびやっていた。

 そこに、やはり試験を終えたクラスのママ友Iさん一家も合流してきた。Iさんママも幼児教室に通わせて準備して試験に臨んでいた。

「面接の練習とか、願書添削とか、うちはタダでやってもらったよー」とIさん。Iさんの園の合否発表は翌朝。

 みんな家でじっとしてられなくて、というか、夕食作る気力も奪われて出て来たようだった。

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結局みんな、無事に合格