20分前に到着したが、もう既に20組以上の親御さんがいる。

 待合場所に通されて、椅子に座って待つ。

 ほどなく呼ばれて願書を手渡すと、受験票が渡された。

 この時点で、翌日の試験の時間が決定する。

 10時24分。

 決戦の時だ。

 一方、クラスのママ友Tさんは、10月に突如受験することを決め、超急ピッチでスーツを揃え、情報収集をし、ありったけの近所の園の願書を取りに行って、提出にはしごした。運良く、時間差で複数の園を受けられることが決まった。

 そして、11月1日。

 ちびは体調もばっちり。元気に目覚めてくれた。

 朝ごはんを済ませて早めに支度を整える。

 面接は、コロナ禍もあって私一人でちびを連れていくことにした。

 夫はロン毛だし髭だし(映像のつながりがあって切れません)。

 なので優秀な店員に言いくるめられて買ってきた7万のスーツの出番はなし!(入園式に授業参観にと今後フル活用していただきます。大学までな!!)

 天気もよく、一緒におめかしして外に出ると、ちびはとても楽しそうに歩き出した。

 私は何度も忘れ物がないかチェックして、あとはもう、なるようになれという心境に至っていた。

 園に着くと、一緒に待合室に通された。

 試験は、ものの10分ほどで終了した。

 名前と年齢を聞かれて元気よく答えた我が子がとても頼もしかった。

 面接官の先生が指差すぬいぐるみの色や種類もしっかり答えて、褒められてご機嫌であった。

 親への質問は、
 「この園を選んだ理由は何ですか」
 「園にどういうことを期待しますか」
 「ご家庭での教育方針は」
 というものだった。

 事前の面接練習では、園を選んだ理由を聞かれた場合、校舎が綺麗だとか、家から近いだとか、そういう抽象的なことよりも、もっと具体的なことを伝えた方がいいとアドバイスを受けていたので、プレに参加した時に感じた、明るく自由で楽しそうな雰囲気がよかったと答えた。

 教育方針については、ずーっと「どんな子に育って欲しいかなあ」と、ぐるぐるとこの数ヶ月考えていたのだが、「想像力のある子に育ってほしいなあ」という結論に行き着いた。

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