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日比野克彦氏に聞く なぜ、上野エリアが“インクルーシブ”に取り組むのか

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「UENOYES 2020 “HOME & AWAY”」(ウエノイエス2020“ホーム・アンド・アウェイ”)は11月20日からオンラインで開催。12に及ぶセッションのほか、コムアイらが出演するスペシャルムービーの上映やオンラインライブが行われる。写真は昨年の様子(写真提供:上野文化の杜新構想実行委員会)

「UENOYES 2020 “HOME & AWAY”」(ウエノイエス2020“ホーム・アンド・アウェイ”)は11月20日からオンラインで開催。12に及ぶセッションのほか、コムアイらが出演するスペシャルムービーの上映やオンラインライブが行われる。写真は昨年の様子(写真提供:上野文化の杜新構想実行委員会)

UENOYES総合プロデューサー・日比野克彦(ひびのかつひこ) 1958年岐阜市生まれ。1984年東京藝術大学大学院修了。1982年日本グラフィック展大賞受賞。1995年第46回ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館作家。平成27年度芸術選奨文部科学大臣賞(芸術振興部門)。地域性を生かしたアート活動を展開。現在、東京藝術大学美術学部長、先端芸術表現科教授(写真提供:上野文化の杜新構想実行委員会)

UENOYES総合プロデューサー・日比野克彦(ひびのかつひこ) 1958年岐阜市生まれ。1984年東京藝術大学大学院修了。1982年日本グラフィック展大賞受賞。1995年第46回ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館作家。平成27年度芸術選奨文部科学大臣賞(芸術振興部門)。地域性を生かしたアート活動を展開。現在、東京藝術大学美術学部長、先端芸術表現科教授(写真提供:上野文化の杜新構想実行委員会)

「ダイバーシティ」という概念はいま、より幅広い「インクルーシブ(社会包摂)」という概念に形を変えつつある。多くの企業や街がその取組みをはじめているが、なかでも東京・上野エリアがいま、インクルーシブの発信基地に変わりつつある。なぜか? プロデューサーの日比野克彦さんに聞いた。
*  *  *
 11月20日から、インクルーシブをテーマにしたイベント「UENOYES」がオンラインで開催される。アーティストの日比野克彦さんが総合プロデューサーを務めるもので、今年で3年目だ。まだ歴史は浅いが、坂本龍一さん、岡田利規さん、チームラボの猪子寿之さん、内田也哉子さんなど30人以上の豪華なアーティストや識者が参加し、12に及ぶセッションが行われるという。今年はコロナ禍でオンライン開催になったが、過去2年は東京・上野でリアルイベントとして開催された。今年も国内外各地からゲストが参加するものの、配信の拠点となる特設スタジオは上野に置かれる。

 もはや「上野=パンダの街」ではないらしい。なぜアーティストたちは、六本木でも渋谷でもなく、上野に惹きつけられるのか。

 そもそも、上野エリアは少し複雑な街だ。ここでいう上野エリアとは、東京都台東区の上野恩賜公園を中心とする一角を指す。公園そのものは東京都建設局が管轄するが、台東区には「上野公園」という町名もあるように、公園とその周辺が一体となった街づくりでは、台東区も大きな力を発揮している。

 また、公園内や周辺には文化施設が多数集中している。国立の美術館や博物館が3館、都立が2館。さらには徳川家光が開基した寛永寺や東京藝術大学など、由緒ある寺社や教育施設もある。「多様な街」といえば聞こえはいいが、それぞれの施設の歴史も深く、街全体でなにかに取り組むには意見の集約が大変だ。

 こんな複雑な街で、真逆にも思える「包摂」というテーマで活動を始めたのが日比野さんだ。その複雑さが魅力なのだという。

「(活動名である)“UENOYES(ウエノイエス)”は僕の造語で、“NO”でもいいし、“YES”でもいい、さまざまな人々を受け入れる“上野(UENO)”という街の魅力を表現したものです。実際、渋谷とか、六本木とかは、何だか行きにくいかな、という人もいると思いますが、上野に行きにくい、という人はあまり聞かないですよね」(日比野さん)


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