※写真はイメージです(GettyImages)
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 近年、失った歯の代替法の一つであるインプラントは、「しっかりかめる」「残った歯に負担が少ない」といったメリットから注目を浴びています。手術が必須な治療であることから、全身状態を検査することが重要です。人によってはその検査によって別の病気が見つかることも。今年9月に亡くなった俳優の斎藤洋介さんも、インプラント治療で検査を受けた際に、咽頭がんの疑いを指摘されたといいます。日本口腔インプラント学会は、広く一般の方々に向けて、インプラントについての正しい情報を伝える公式本『「かめる幸せ」をとり戻す』を9月に刊行しました。本書から抜粋する形で「インプラントに欠かせない全身検査の重要性」についてご説明していきます。

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 インプラント治療は手術を伴うので、全身の状態にもかかわります。

 高血圧や心臓疾患などの循環器系の病気、ぜんそくなど呼吸器系の病気、糖尿病や骨粗しょう症、腎臓や肝臓の機能障害がある場合は、注意しなければなりません。ただし治療によって病気がコントロールされていて、その病気の主治医の許可が得られれば、インプラント治療が可能なこともあります。

 とはいえ、偶発症や合併症のリスクが高くなるため、主治医と歯科医師の医療連携が欠かせません。感染対策や手術中の血圧・脈拍のモニタリングなど、手術にはより注意が必要です。
 
 また、現在服用している薬によっては、インプラント治療が適さないこともあります。高齢になるほど持病や服用している薬の種類や量も多くなるので、注意が必要です。必ず歯科医師に服用している薬を伝えるようにしましょう。
 
 治療を受けるにあたって年齢による上限はありません。しかしながら高齢者の場合には、全身的な病気をもっていることが多く、治療前に検査で調べておくことが重要です。
 

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