イチロー(左)を“師匠”として仰いでいたゴードン(左) (c)朝日新聞社
イチロー(左)を“師匠”として仰いでいたゴードン(左) (c)朝日新聞社

 今年はオリックスのアダム・ジョーンズ、巨人のヘラルド・パーラを筆頭にメジャーリーグで実績のある大物助っ人が来日した。結果的に2人とも大きな戦力になったとは言い難いが、シーズン前は米国でも活躍した助っ人の獲得にファンは大いに盛り上がった。

【写真】イチローが「本当の天才」と言った男とは?

 今シーズンのオフは新型コロナウイルスの影響もあり、なかなか助っ人の補強も難しいところもあるが、昨年に続き大物助っ人の来日はあるのか……。今回はシーズンオフにフリーエージェント(FA)となり、日本に来たら面白い存在になりそうなメジャーの大物を探ってみたいと思う。

 まず、既に報道でも出ているが、NPBチームとの契約が噂されているのがトレバー・バウアー(投手・前レッズ)だ。今年は60試合と短いシーズンだったが、その中で11試合の登板で防御率1.73、WHIP0.79と圧巻の投球を続け、ダルビッシュ有(カブス)とのサイ・ヤング賞争いを制したことで日本でも有名となった投手である。

 バウアーは1991年生まれで来年30歳。前述のとおり、今シーズンはサイ・ヤング賞を獲得し、年齢を考えてもここから数年はキャリアの全盛期と言っても良い。当然、米国でもFA投手の最大の目玉であり、その去就は本国でも大きな注目を集めている。ここ数年は年俸がやや高止まりした感があり、コロナ禍による各球団の収入減の影響はあるが、大型契約がオファーされることは間違いない。お金以外の部分でも、バウアークラスの投手が格下と見られているNPB移籍を選ぶとは通常考えにくい。

 だが、バウアーは2009年に日米大学野球で来日して以来日本に興味を持ち、昨年12月にはDeNAの2軍施設を訪れるなど、親日家としても知られている。また、意見が分かれるセンシティブな野球の不文律や、サイン盗み問題に対しても鋭い意見を述べるなど、その“大胆さ”と“変わり者度”はメジャーでも屈指だ。自身のツイッターでもNPB球団からのオファーを検討すると表明しており、1年限定など短い期間での来日は十分にあると考えられるのではないか。

次のページ
バウアー以外の大物で可能性あるのは?