いまやYouTuber江頭2:50(C)朝日新聞社
いまやYouTuber江頭2:50(C)朝日新聞社

 日本のTVバラエティの中で、大きな役割を担ってきた江頭2:50(55)が、活動の場をYouTubeに移し、長年所属した大川興業も退所したのは9月末。2000年代以降のバラエティ界で、黒スパッツに上半身裸という出で立ちでスタジオを所狭しと暴れまわり、トリックスターとして重宝されてきた。

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「アメトーーク!」(テレビ朝日)で言い放った「1クールのレギュラーより1回の伝説」という名言の通り、さまざまな番組で”逸脱行為”をおこし、時には海外で下半身を露出させ逮捕されることも。また、出川哲朗と並んで「嫌いなタレント」ランキング上位に常に君臨してきた。しかし、東日本大震災では自ら2トントラックを運転し被災地支援を行ったことやお笑いに対するストイックさが芸人仲間から語られ、次第に視聴者からの評価も反転。「お笑い界の偉人」のような扱いになっていた。並行して、近年は地上波のテレビ番組ではなかなか見かけない存在となっていた。

「もともと江頭さんは、テレビでレギュラーを取れるようなタイプの芸人さんではないので、早くからネット番組に進出していました。『江頭2:50のピーピーピーするぞ!』はなんと2006年からの配信で、中断したり、媒体を変えながら14年間も続きました。同番組では、テレビで垣間見せてきた破天荒なネタを自由に披露していたので、ファンも多くDVD化もされています。今はYouTubeに主戦場を移しましたが、ノウハウがあるので人気も上々。登録者数は200万人を超え、人気投稿では600万回以上も再生されています。開設当初は下品すぎて広告がつかないという話もありましたが、今ではちゃんとついていますよ」(放送作家)

 チャンネルの内容は「死にたくなったら俺を見ろ」の名言などにもある江頭らしく、誰かを応援するネタにはじまり、コストコでの爆買いや芸能界の本音を探るといった“普通のネタ”が多い。ときには、上半身裸ではなくTシャツ着ているときもあり、伝説のアングラ芸人という雰囲気はあまりない。

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江頭は今やすっかり”ネットの人”