現在のところ、ブームは下火になることなく続いているが、今後、鬼滅の興行成績はどこまで伸びるのだろうか

「100億に届いた時点では、スタートダッシュで飛ばしすぎた分、スタミナ切れを起こしてしまうと予想していました。人間は、爆発的に流行ったものに対しては、その分飽きるのも早くなる傾向があるからです。ですが、鬼滅の場合は200億まですごいスピードで到達してしまった。300億突破は時間の問題かもしれません。(11月14日から)入場者特典というカンフル剤が投じられたので、ここからぐっと伸びそうです」(有村氏)

 CDB氏は「普通は頭打ちになるところですが、あの映画は10日で100億という快挙を成し遂げ、すべての予測を覆している。読めませんね」と率直な意見を述べた。その上で、こう期待を込める。

「単なる2時間の映画作品ではなく、鬼滅という全体の大きな現象の一つとして、映画が通過点としてある。他の場所で育て上げられたものが、『無限列車』として映画館を通過していくイメージ。映画館は、映画だけのものではなくなるのかもしれません。この作品が、映画館の枠組み、システム自体を変えてしまうきっかけになるかもしれません」

 一体どこまで伸びるのか、蓋を開けてみなければわからない。ネット上では、ファンが興行収入300億円超を目標に「煉獄さんを300億の男にしよう」とする動きも見られる。晴れて308億円を超えた暁には、炎柱・煉獄が「映画史を塗り替えた男」としてももてはやされることになりそうだ。(取材・文=AERA dot.編集部・飯塚大和)