近本同様、期待の外野手候補として巨人・松原聖弥、ロッテ・和田康士朗といった選手の名前も出てきた。共通するのは、ずば抜けたスピードを持っていること。しかしそれだけでは『良い外野手』で終わってしまう。『特別な外野手』になるには、天性のものだけに頼らず技術を磨き上げないといけない。

「スピードを生かした守備を目指して欲しい。そのためには『技術』が必要になる。球史に残るような外野手になるためにも守備をもっと好きになって欲しい。イチローや新庄は守備の意識も非常に高く、いろいろ聞いて来たし練習もしていた。外野守備だけでお金を稼げる選手がどんどん現れて欲しい。可能性を秘めた原石はたくさんいますから」

「コロナの対策もできるようになってきたことで、球場へ行けるようになってきた。少し早めに行って試合のみでなく打撃練習やシートノックで外野手に注目して欲しい。『実弾』を捕球しているか。送球時に勢い任せで投げていないか。そこをチェックするだけで見方も変わって来る。外野手の紙一重の勝負は楽しいですよ」

 外野守備の細かい部分に多くの『技術』が隠されている。結果だけでなく、プロの技を違った角度から見るのも楽しい。(文中敬称略)

(文・山岡則夫)

●プロフィール
山岡則夫/1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌『Ballpark Time!』を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、編集・製作するほか、多くの雑誌、書籍、ホームページ等に寄稿している。Ballpark Time!公式ページ、facebook(Ballpark Time)に取材日記を不定期更新中。現在の肩書きはスポーツスペクテイター。