まずは、その教室での面接特訓である。

 家族できちっとスーツを着て出かけ、本番さながらに、呼ばれて部屋に入り、質問に答える。

 希望の幼稚園を選んだ理由、家での教育方針、どんな子に育って欲しいか、こどもには、名前、年齢、好きな食べ物、嫌いな食べ物、お友達の名前、などを聞かれる。

 その後、ダメ出しだ。

 部屋への入り方から、おじぎの仕方、座り方、細かく指導してもらう。

「面接の先生方は、こうやって、練習してきたご家族のことは分かるんですよ。練習通りにやっているんだな、と分かります。でも、うちを受けるためにしっかり準備してくれたんだ、と伝わることも大事ですから」

 と言われてなるほどー、と思ったり。

「願書添削」の申し込みをせかされて、その願書がどんなものなのか見たこともないし、何をどうしてどう提出するのかも分からない。

「願書をコピーして、本番同様に書き込んで提出する形で出して下さい」
「あの、願書が配布されるのは半月後なんですけど……」
「あ、そうなんですか、では受け取ってからコピーして書き込んで提出を」

 仕事が忙しい中、余裕のない私は、何だか余計な不安を煽られているような気分になってしまったり。

 そもそもうちが受けようとしている幼稚園は、いろいろ調べるかぎり特に対策をしなくても受かっている人もいるみたいだし、ここまでやる必要があるのかしらと疑問を抱いたり、いや、やらないよりはやった方がいいに決まってる、私にはこうやって煽ってくれる人がいてくれた方がいいんだ!

 と思い直したり、気持ちは揺れに揺れた。

 何せ分からないことだから。

 それに、ネットで調べても幼稚園受験に関する情報はあまり出てこない。

 なので、私の経験はほんの一例だけれども、書き残しておこうかな、と思う。

 どこかで誰かの何かの参考になれば嬉しいなと思うのと、家族でドタバタ頑張った記録として。

 後編に続く!

■水野美紀(みずのみき)
俳優。ドラマ・映画・舞台で活躍中。
<出演情報>日本テレビ系「マネキン・ナイト・フィーバー」が10月8日スタート。レギュラー番組は、フジテレビ系バラエティ「突然ですが占ってもいいですか?」毎週水曜22:00~、讀賣テレビ「水野美紀の映画生活(シネマライフ)」毎週金曜22:54~<関西ローカル> http://www.ytv.co.jp/cinemalife/

【書籍『水野美紀の子育て奮闘記 余力ゼロで生きてます。』好評発売中】

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水野美紀

水野美紀

水野美紀(みずの・みき)1974年、三重県出身。女優。1987年にデビュー。以後、フジテレビ系ドラマ・映画『踊る大捜査線』シリーズをはじめ、映画、テレビドラマ、CMなど、数多くの作品に出演。最近では、舞台やエッセイの執筆を手掛けるなど、活動の幅を広げている。2016年に結婚、2017年に第一子の出産を発表した

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