「例えば、盗塁阻止率5割で打率2割と、盗塁阻止率4割で打率2割8分なら打つ方を使いたい。短期決戦には守備力の高さも必要になる。侍ジャパンなどでわかるが、接戦を守り切って世界一にもなって来た。選ばれた野手はすごい打者ばかりなので、攻撃は任せて守備に専念できる。しかし国内でレギュラーシーズンの長丁場なら『打てる』ことが大事。今は厳しい攻めも少なくなり死球もほとんどない。今年の大城が死球ゼロを見てもわかる。これならば捕手も打てなくてはダメだし、大城が(打撃力に関しては)抜けている」

 新型コロナウイルス禍で難しいシーズンだったが、巨人はダントツでリーグ制覇を果たした。知名度抜群の選手が多いチーム内、脚光を浴びる機会は多くないが大城が果たした役割は大きい。

「絶対エース・菅野智之とのコンビで『最優秀バッテリー賞』でも良い。実績と自信になり、捕手としてさらに成長するだろう」

 優勝の立役者に最大級の賛辞を送ってくれた。(文中敬称略)

(文・山岡則夫)

●プロフィール
山岡則夫/1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌『Ballpark Time!』を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、編集・製作するほか、多くの雑誌、書籍、ホームページ等に寄稿している。Ballpark Time!公式ページ、facebook(Ballpark Time)に取材日記を不定期更新中。現在の肩書きはスポーツスペクテイター。