TVウォッチャーの中村裕一氏は、新たな2世が登場しつつある状況についてこう分析する。

「10年くらいまでは『2世』と聞くと、反射的に『親の七光り』とか『コネ起用』などといったネガティブワードが頭に浮かぶ人の方が多かったと思います。しかし、近年は宮沢氷魚や村上虹郎に代表されるように、むしろ最初から好意的に受け入れられてきています。親が有名ミュージシャンということも大きいと思いますが、必ずしも同じ道を選ばず、違うジャンルで才能を開花させているところが素晴らしい。今のSNS社会では世間の目が厳しく光っています。そういう中で前世代的な2世は自ずとスポイルされていくのです。一方で、失敗や冒険がなかなかできない今のご時世において、彼らを起用する側も、私たち見る側も『2世』というブランドとしての安心感・安定感に期待する気持ちが強いと言えます。そういう意味で、今、活躍している人たちは“ネオ2世”と呼べるかもしれません。最初から高いハードルが待っていることが明らかなのに、あえてそこに飛び込む勇気がある時点で、芸能界や音楽界で活躍する充分な素質があるのではないでしょうか」

「ネオ2世」が芸能界で新たな潮流になるのかもしれない。(今市新之助)