■「中居正広が目標」MCに進出!?

 さまざまな苦労や経験を経て、いま数々の作品に出演するようになった柳楽だが、一方で、最近ではバラエティへの進出を匂わせる発言も。テレビ情報誌の編集者は言う。

「柳楽さんは9月に放送されたバラエティ番組『TOKIOカケル』で、今後どんなことをやっていきたいかを聞かれ『バラエティ番組のMC』と意外な回答をし、スタジオやお茶の間を驚かせていました。実は芸能界を目指したきっかけのひとつに『人を笑わせたい』という思いがあったそうです。過去にも笑福亭鶴瓶さんの番組で、やはり『MCをやってみたい』と話していたことがありました。目標は中居正広さんと話すも『全然タイプが違う』と鶴瓶さんに突っ込まれていましたね。バラエティで見せる柳楽さんの屈託のない笑顔やひょうきんさは、お芝居のときと表情がまったく違うので、ギャップに魅力を感じる視聴者が多かったようです。今後、バラエティのお仕事が増える可能性も高いのでは」

 俳優の枠にとどまらずマルチな活躍を見せる柳楽だが、ドラマウォッチャーの中村裕一氏は、彼の魅力についてこのように分析する。

「地上波での連続ドラマ初主演にして初コメディーとなった『アオイホノオ』(2014年)で演じた主人公・焔モユルは、完全に振り切った演技と表情で強烈なインパクトを視聴者に与えました。映画では『ディストラクション・ベイビーズ』での鬼気迫る、それでいて得体の知れない恐怖を感じさせる芝居は言うまでもなく、余命半年の元高校野球部員の青年を演じた『泣くな赤鬼』や、周囲を巻き込みながら無軌道に突き進む出所したばかりの暴力団員を演じた『ザ・ファブル』などで、演技の幅広さを披露しています。デビューしてしばらくした後、いったん俳優の世界から離れ、一人の社会人として経験を積んだことが芝居にも役立っていることは間違いない。そのエピソードからも、常に客観視することを怠らず、俳優という職業に誠実に向かい合う、地に足のついた性格であることがうかがえます。30代に突入し、まさにこれからが脂の乗りどころ。その目の輝きは落ち着くどころか今後ますますギラギラ度を増していくことでしょう」
 
 パーソナルブック発売時にリモート会見で「3大映画祭りにもう1度行きたい」と30代の抱負を語っていた柳楽。来年は「HOKUSAI」「ターコイズの空の下で」「太陽の子」など、主演映画の公開が続く。コミカルな役柄から骨太な演技まで幅広い役どころを難なくこなす彼なら、その目標もそう遠くない未来に実現してしまいそうだ。(高梨歩)

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高梨歩

高梨歩

女性ファッション誌の編集者など経てフリーライターに。芸能やファッション、海外セレブ、育児関連まで、幅広いジャンルを手掛ける。活動歴は約20年。相撲フリークの一面も。

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