故障者とともに、『クラスター』に近い新型コロナウイルス感染者が出てしまった。そしてウイルス感染に関し、一部週刊誌が球団の発表に虚偽があると伝えられた。コロナに感染した主力選手の離脱もあり、チームは好調時とは別人のように勝てなくなった。

「(リーグ優勝のチームが決まった後に)何らかの形で佐々木を登板させる予定だった。打者1人でも投げて1軍デビューすれば盛り上がる。CSシリーズへ向けてチームに勢いがつく。またコロナ禍でも応援してくれたファンの方々へのプレゼントにもなる。下世話な話で言うと営業的に少しでもプラスにしたい部分もある。日本一へ向けて良い流れで一丸になれると考えていたが、すべてが白紙に戻ってしまった」(ロッテ球団関係者)

 チームとしては05年以来のリーグ優勝を目指していた。仮に2位で終わっても10年以来、再度『下剋上』からの日本一の可能性は残る。リーグ優勝決定後に佐々木をデビューさせ、ファンを巻き込んでムーブを作り出し日本一まで走り抜く青写真を描いていた。しかし、2位確保さえ危うい状況になってしまい、“佐々木デビュー”の時期も含めプランの大幅変更を余儀なくされている。

「コロナ問題もあり、CS出場を逃せば責任問題にも波及しかねない。井口監督はチームの起爆剤として佐々木登板を早めることを検討。現時点でも短い回なら投げられるし、抑えることができればチームが盛り上がることは必至。最悪に近い雰囲気のチームにおいて、佐々木登板が最後の命綱と考えている。当初のプランからの大幅変更をせざるを得ないほど追い込まれている」(ロッテ担当記者)

 急激な下降線を辿るチーム状態が佐々木登板を早めるかもしれない……。しかし、これに「待った」をかけているのが、吉井理人投手コーチをはじめとした佐々木育成を任されているチームスタッフだという。

 吉井コーチはNPB、MLBで数々の修羅場をくぐって来たレジェンド右腕。過去には日本ハムソフトバンクで1軍、2軍両方の投手コーチを務めた実績もある。コーチングを学ぶため自身で大学院に通い、運動生理学や心理学を専攻したほどの敏腕コーチだ。

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佐々木の今季登板は消滅?