■気になるレモンイエローの光色

 銀座駅リニューアルの大半は2020年6月の完成を目指していたが、新型コロナウイルスの影響なのか、4カ月遅れた。すべての完成は2023年度を目指しており、バックヤードや出入口の整備を行う。

 気になるのは、銀座線の光色をレモンイエローにしたこと(不覚にも色の違いは原稿執筆時に気づく)。東京メトロ駅の出入口表示は黄色を用いており、かえって混乱を招く恐れがある。日頃、銀座線を利用する人々にとって、ラインカラーはオレンジイエロー、レモンイエローのどちらを認識しているのだろうか。

 後日、私用のついでに再訪し、報道公開で案内されていないオリエンテーションサインのない改札をまわってみると、利用客は特に気にならない様子。どうやら私の思い過ごしのようだ。ただ、レモンイエローのきらびやかな光を見ると、将来、銀座線のラインカラー自体が変わる可能性を暗に示唆しているように思う。

■新型コロナウイルスの影響は……

 東京メトロ広報によると、新型コロナウイルスの影響で運賃収入などが減少し、2020年度の設備投資を1690億円から1400億円に見直したという。ホームドアなど、安全性の向上や人命を守るための設備、車両更新、すでに着工した工事は予定通り進めていくそうだ。

 銀座線でリニューアル工事未施工の駅は、三越前、新橋、溜池山王、赤坂見附、表参道の5駅。このうち、新橋以外はデザインが決まっていないという。当初、2022年度の全駅完成を目指していたが、数年遅れるものと思われる。(文・岸田法眼)

取材協力/東京地下鉄

岸田法眼(きしだ・ほうがん)/『Yahoo! セカンドライフ』(ヤフー刊)の選抜サポーターに抜擢され、2007年にライターデビュー。以降、フリーのレイルウェイ・ライターとして、『鉄道まるわかり』シリーズ(天夢人刊)、『論座』(朝日新聞社刊)、『bizSPA! フレッシュ』(扶桑社刊)などに執筆。著書に『波瀾万丈の車両』(アルファベータブックス刊)がある。また、好角家でもある。引き続き旅や鉄道などを中心に著作を続ける。