「昨年放送されたバラエティ番組では、最近の流行に疎いという悩みがあるということで、若者の間で流行しているフレーズをクイズ形式で出題するという企画に参加。MCから『あまり流行を知らないの?』と聞かれると、『友達がいないんで情報が入ってこないです』とストレートに暴露していました。そんな裏表がなさそうな人柄に、好感を持つ人も多いと思いますよ」(前出の編集者)

■11歳でデビューして高校で上京

 思ったことをズバズバ言う性格の裏には、浜辺が10代の頃の経験が影響しているのかもしれない。

「一歩踏み出さなかったら後悔しそうだなと思った時は後悔しないほうを選ぶ、とインタビューで話していたことがあります。11歳でデビューし中学卒業後に石川県から上京し東京の高校に通い始めた浜辺さんですが、やはり不安が大きかったのでしょう。『あの時に上京しておけば成功したかも』と後になって思うくらいなら、いま上京して失敗したほうがいい。挑戦した上で失敗して後悔するほうがウジウジしないと考えて、上京を決意したそうです。10代でそんな人生の重大な決断をしたわけですから、細かなことでは動じない性格なのでしょう。
一見、繊細そうなルックスですが、周りに媚びすぎない心の強さを持っていると思います。今は清純派というイメージが強いですが、将来は芯の強いかっこいい女性を演じてもピッタリとハマるかもしれません」(同)

 ドラマウォッチャーの中村裕一氏は、浜辺の魅力についてこう分析する。

「彼女の近年のキャリアを振り返ってみると、やはり『君の膵臓をたべたい』が公開された2017年からの活躍がめざましい。同作品の山内桜良のような可憐な役から、『賭ケグルイ』の蛇喰夢子のような狂気を孕んだ役まで、演技の幅がすごく広い。しかも、どれもしっかり演じ切って役を自分のものにしており、まだ20歳とは思えない才能の持ち主と言えるでしょう。また、昨年放送された『世にも奇妙な物語 雨の特別編』の『大根侍』というショートドラマも印象的でした。刀の代わりに大根で侍と決闘する女子高生を演じていましたが、作品世界に溶け込んでおり、素晴らしい演技でした。個人的な感想ですが、『賭ケグルイ』や『大根侍』のように、現実とは違う不思議な世界観を持った作品に映えるタイプの女優と言えるかもしれません。こういう意味で、12月に公開される実写版映画『約束のネバーランド』で主人公のエマを演じるとあって今から非常に楽しみです」

 2020年は飛躍の年となった浜辺。今後も活躍が大いに期待されるが、そんな中、女優としてどんな変化を見せてくれるのか楽しみだ。(丸山ひろし)

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丸山ひろし

丸山ひろし

埼玉県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集業務に従事。その後ライターに転身し、現在はウェブニュースや、エンタメ関連の記事を中心に執筆している。

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