「コロナの感染は毎日広がっている。インフルと同じで、気をつけても、かかる人はかかる。ずっと家の中にいたところで、その後に収束していなければ、意味がない。みんながみんな自粛して収まるならいいけれど、結局みんな仕事に出ている。むしろ電車のほうが危ないと思う」

 この時はむしろ、パチンコ通いを擁護していた。

 だが、その1か月後の5月15日。へずまは兵庫県内の休業要請に応じないパチンコ店を凸(突撃)する動画を投稿した。店員に対して、「おかしいだろうが!なんで営業してんだよ、ふざけんなオラ」「おいコロナじゃろうが、自粛じゃろうが。休業指示出とんぞ。ありえんじゃろうが。親玉とっとと呼べえや、このザコ」と恫喝。「(あなたは)偽善者だ」と反論する店員に対し、「俺偽善者じゃないねん。俺以上にお前らがクソだから」と応酬。さらに、「お前頭悪すぎだろ。脳みそも小せえし。気持ち悪い頭してるからサァ、おい」と罵倒した。

 また、開店を待って列に並んでいた客に対しても、「パチンコ来んなよおめえら、おかしいだろうが!」とののしっていた。動画の途中から、複数の警察官に取り囲まれる事態になったが、へずまは動じず警察官に対しても持論を振りかざす。「間違えたことを問いただしてるだけっす。おかしいっすよね」

 この突撃の様子はYouTubeに3本立てで投稿され、少なくとも計200万回以上再生されている(動画は一度削除され、現在は別のユーザーによって再投稿されている)。コメント欄には「見苦しい」といった批判が多く並ぶなか、「唯一へずまを応援できる動画」「今回は正論ですね」といった肯定的なコメントも散見される。

 しかし、先述の取材からもわかるように、へずまもパチンコ店の利用者だった。「自粛警察」としてパチンコ粛清を唱える一方で、自身もパチンコに興じていたのだから、そこには大きな矛盾がある。

 4月の取材時、へずまは「俺のこと知ってます?」と聞いてきた。首を振った記者に対して、「日本一嫌われているYouTuberです。今は登録者も5万人以上です」とアピールしてきた。動画収入も、日を追うごとに上がっているのだと誇らしげだった。

次のページ
記者には丁寧に敬語を使い低姿勢だったが…