※写真はイメージです(写真/Getty Images)
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松本秀男(まつもとひでお)/医師。専門はスポーツ医学。1954年生まれ。東京都出身。1978年、慶応義塾大学医学部卒。2009年から2019年3月まで、慶応義塾大学スポーツ医学総合センター診療部長、教授。トップアスリートも含め多くのアスリートたちの選手生命を救ってきた。日本臨床スポーツ医学会理事長、日本スポーツ医学財団理事長
松本秀男(まつもとひでお)/医師。専門はスポーツ医学。1954年生まれ。東京都出身。1978年、慶応義塾大学医学部卒。2009年から2019年3月まで、慶応義塾大学スポーツ医学総合センター診療部長、教授。トップアスリートも含め多くのアスリートたちの選手生命を救ってきた。日本臨床スポーツ医学会理事長、日本スポーツ医学財団理事長

 スポーツでは競技ごとに、さまざまなウェアやシューズを着用します。最近は、スポーツ科学の研究成果を結集した高性能なウェアやシューズが開発され、選手たちの競技力向上をサポートしています。また一般向けにも、動きやすく通気性や保温性に優れたウェアやシューズが売り出され、より快適にスポーツを楽しめるようになってきました。日本スポーツ医学財団理事長の松本秀男医師に、スポーツウェアとシューズを選ぶ際のポイントについて教えてもらいます。

【写真】スポーツウェアとシューズを選ぶポイントを教えてくれた松本秀男医師はこちら

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 スポーツを始める人の中には、まずはお気に入りのウェア一式をそろえる、「格好から入る」タイプの人がいるかもしれません。おしゃれでかっこいいウェアを身につければ、スポーツへのモチベーションが上がるのは確かでしょう。

 ですが、「ファッション性」がスポーツウェアの第一条件ではありません。目に見えない「機能性」や「競技性」が、重要な要素となります。とくに新記録の達成を目指すトップアスリートたちにとって、高性能のウェアは競技力向上の強い味方です。現場の選手たちの要望をかなえるべく、最新のスポーツ科学にもとづいてウェアが進化を遂げています。

 昨年のラグビーワールドカップでは、新しい素材と技術を応用した最先端のウェアが採用され、日本代表選手たちの活躍を支えました。強度・伸縮性・速乾性に優れたウェアは、汗をかいても軽く、動きやすく、破れにくいものでした。また、ポジションを考えて作られたウェアは、体にぴったりフィットして相手に捕まりにくいといった特性も備えていました。

 また昨年は、陸上の長距離レースでナイキ社の「厚底シューズ」も話題になりました。それは、分厚い靴底に高い反発力をもつカーボンファイバープレートが入れられたシューズです。それを履いた選手たちが、相次いで好記録を出すと、さらなる開発に拍車がかかりました。これに対して、世界陸上競技連盟は、競技用シューズの規制に乗り出し、マラソンでは靴底の厚さは40ミリ以下、靴に埋め込むプレートは1枚までとするなどの新ルールが発表されています。

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松本秀男

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松本秀男(まつもとひでお)/医師。専門はスポーツ医学。1954年生まれ。東京都出身。1978年、慶応義塾大学医学部卒。2009年から2019年3月まで、慶応義塾大学スポーツ医学総合センター診療部長、教授。トップアスリートも含め多くのアスリートたちの選手生命を救ってきた。日本臨床スポーツ医学会理事長、日本スポーツ医学財団理事長。

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かつては「高速水着」に規制がかかったことも