高校生投手としてはNo.1との呼び声もある中京大中京・高橋宏斗 (c)朝日新聞社
高校生投手としてはNo.1との呼び声もある中京大中京・高橋宏斗 (c)朝日新聞社

 いよいよ今月26日に迫ったプロ野球ドラフト会議。12日には高校生と大学生のプロ志望届提出も締め切られ、あとは当日の指名を待つだけとなった。ここからは各球団の情報戦も活発になってくることが予想されるが、現在の戦力や選手の年齢構成から各球団へのおすすめ指名選手を紹介したいと思う。今回は現在(10月15日終了時点)セ・リーグAクラスの阪神中日巨人の3球団だ。

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【阪神】今年も昨年のような積極的な高校生獲得を。必要なのは中軸候補

 昨年は奥川恭伸を外しても高校生右腕の西純矢を指名。更に2位から5位までにずらりと高校生選手を並べる驚きの戦略を見せた。それでもチームの年齢構成を見ると24歳以下の若手はまだまだ少なく、この方針は継続する必要があるだろう。特に気になるのが中軸候補となる野手の少なさだ。ルーキーの井上広大とともに、将来クリーンアップとして期待できる選手を狙うべきだろう。そういう意味では報道でも熱心に視察していると言われている佐藤輝明(近畿大)は需要とマッチした選手ではある。

 ただ佐藤を当てたとしても、外したとしても、高校生の強打者タイプは指名しておきたい。そこでおすすめしたいのが小深田大地(履正社)だ。長打力と確実性を兼ね備えており、打撃に関しては総合的に見て高校生の中でナンバーワンの選手である。安定したサードの守備も魅力だ。サードは大山悠輔がいるじゃないかという声もあるが、7歳という年齢差はちょうど良いと言えるのではないだろうか。

 大山がファーストに回って、その後釜に小深田が座るという青写真も見えてくる。夏の甲子園を制した井上と小深田がクリーンアップに座るというのも阪神にとって夢のある話だ。外野手も若手が少ないだけに一人は高校生を獲得しておきたい。下位で狙える選手では強打者タイプの石川慧亮(青藍泰斗)、スピードを重視するなら奥野翔琉(明徳義塾)などをぜひ指名してもらいたいところだ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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