それが今年となると、現時点でドラマ出演はなし。映画や舞台はあるが、それほど話題になってはいない。BS‐TBSのミニ番組「奈良ふしぎ旅図鑑」でふしぎ案内人をしている姿を見かけたりするにつけ、一時より地味になった印象を否めないものだ。

 にもかかわらず、依然として「女が嫌う女」の象徴的存在であり続けているのは、ブレーク時の流れも影響しているのだろう。

 彼女は16年、NHK朝ドラ「あさが来た」でヒロインに心酔する黒ぶちメガネの少女を演じ、注目された。と同時に、それ以前からやっていた男性誌での水着グラビアの色っぽさが話題に。この、メガネっ子かと思いきや、脱いだらナイスバディーというギャップは男ウケしたが、世の女性からは反感を買った。

 そして翌年「カルテット」では男たちを手玉にとる悪女役。「どん兵衛」のCMでも「どんぎつね」というまさに男を化かす役をこなすようになったことで、女ウケの悪さがエスカレートしてしまった。多くの女性が、彼女に男を取られそうな危険をイメージするようになったのだろう。

 ただし、彼女にも女性ファンはいるし、アンチにしても関心は持っているわけだから、いつかファンになる可能性がある。かつての松田聖子も、最近の田中みな実も、アンチを味方にすることで強大化したのだ。

 実際、一昨年にはオトナンサーが「お手本は吉岡里帆! 悔しいけどマネしたい『あざかわ女子』の生態とは」という記事を配信。筆者も昨年、同サイトで「吉岡里帆が“田中みな実”になるとき 芝居の神様は、女性の嫉妬を憧れに変える!」という記事を書いた。根っからの演劇好きで、ストイックな自分磨きでも知られる彼女は、きっかけ次第で女ウケもよくなるのではと感じていたからだ。

 しかし、現実として、彼女は「あざかわ女子」のお手本にも、田中みな実のような存在にもなれていない。その一因は、自分のキャラやイメージをネタにできていないことだろう。田中にせよ、松本まりか(36)にせよ、前出の「あざとくて何が悪いの?」などで自分のキャラやイメージを面白おかしくネタにできている。笑いは安心につながり、世の女性も警戒を解くのだ。

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「自分の中に嫌われる要素があるなと」