やることはたくさんあるのに体が動かないんですHirotama / PIXTA(ピクスタ)
やることはたくさんあるのに体が動かないんですHirotama / PIXTA(ピクスタ)

「面倒くさい」「もういいや」……やる気を下げるマインドは誰の心の中にも存在している。やる気が大きく下がったとき、どうやったら再び情熱を取り戻すことができるのだろうか? 経営・組織戦略コンサルタントの西野一輝氏は、2000人以上の経営者・著名人のインタビューを通し、やる気を高い人にはある行動・思考の法則があったという。モチベーションを高めるための方法論をまとめた初の著書『モチベーション下げマンとの戦い方』(朝日新聞出版)から一部を抜粋・再構成して紹介する。

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 みなさんは子供のころ、夏休みの宿題をいつになってから本気で取り組み始めましたか? やはりギリギリ、提出期限が迫ってからの人が多いのではないでしょうか。私はまさにそのタイプでした。期限が明日であれば何とかやり切るが、モチベーションは高くない。ただ、時間がないので必死にやる。宿題は常にそんなこなし方であったような気がします。

 しかもいまは在宅が主流になっている企業もあります。監視の目がないところではついダラダラしてしまう人もいるでしょう。そんなふうに仕事を先送りして、締め切り間近にこなした経験は誰にでもあるはずです。 

 そもそも、なぜ仕事を先送りしてしまうのでしょうか。

 夏休みの宿題で考えると、「休みはまだたっぷりある」といった思考になっていたからでしょう。そこで、別の発想でモチベーションを高くする必要があります。 

 一日はいとおしい。明日は別の存在。そんな貴重な一日に何をするのか?どう過ごすのか? そう自分に問いかけてみるのです。 

 夏休みの宿題で考えると「今日しか学びの機会はない。今日だから宿題を通じて学べることがたくさんある」と強烈に思い込めば、モチベーションにも火がついてきます。 

 実はこの方法は私も実践しています。私は吉野家の牛丼が大好きで、年間で50杯以上は食べるのですが、そのときに「明日には病気で食べられなくなるかも」と言い聞かせて味わうようにしています。すると、よりおいしさが際立つのです。 

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西野一輝

西野一輝

西野一輝(にしの・かずき)/経営・組織戦略コンサルタント。大学卒業後、大手出版社に入社。ビジネス関連の編集・企画に関わる。現在は独立して事務所を設立。経営者、専門家など2000名以上に取材を行ってきた経験を生かして、人材育成や組織開発の支援を行っている。

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