この騒ぎで試合は5分中断し、ズレータはシーズン最多の3度目、セラフィニも7月19日の近鉄戦以来、2度目の退場となった。そして、止めに入ったベニーも負傷退場するオマケも。チームの二冠王の退場が響き、ロッテは2対5で敗れた。

 バレンタイン監督は「ぶつけてもいないこっちも退場になるなんて。同じジャッジでいいのか?今日のことは容認しがたい」と敗戦の悔しさも手伝って、喧嘩両成敗に怒り心頭だった。

 ホームランを打った側、打たれた側が、罵り合いをきっかけに大立ち回りを演じたのが、14年4月16日の巨人vsヤクルト(神宮)だ。

 9回に8対7と逆転した巨人はその裏、守護神・マシソンをマウンドに送った。マシソンは簡単に2死を取ったが、勝利まであと1人という場面で、大きな落とし穴が待ち受けていた。

 次打者・バレンティンに対し、2ボールから3球目の変化球はストライク。見送ったバレンティンはニヤリと笑う。

 この態度を挑発と受け止めたのか、マシソンがムキになって4球目を投げ込むと、バレンティンは「待ってました!」とばかりにフルスイング。打球は起死回生の同点ソロとなって左翼席に吸い込まれていった。

 得意満面で味方ベンチに向かってガッツポーズしたバレンティンがマウンドに向き直ると、マシソンは悔しまぎれに罵声を浴びせた。

 バレンティンも一塁に走りながら、左手を振り上げながら罵り返す。罵り合いはヒートアップし、ダイヤモンドを1周してホームインしたバレンティンは、「もう我慢ならねえ!」とばかりにマウンド目がけて突進する。たちまち両軍ナインが入り乱れて押すな押すなの大騒ぎ。当事者の2人はすぐさま引き離され、大事に至らず幕切れとなった。

 試合後、バレンティンは「自分は間違ったことはしていないつもり。白熱した試合でうれしさを表現したつもりだったが、向こうは気に食わなかったのだろう。ホームランを打たれて、イライラしているように見えた」と説明した。

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バレンティンは同僚の助っ人とも…