村上はここまでリーグトップの出塁率.441を記録しており、ヤクルトの日本人選手では青木(2007、2009年)、山田(2015年)に次いで3人目の最高出塁率獲得が期待されるが、注目は残り35試合で打撃3部門のタイトルに手が届くかどうかだ。

 もっとも、仮に今年3部門のタイトルが取れなかったとしても、戴冠はそう遠い先の話ではないだろう。いや、それどころか村上は近い将来の三冠王への道を、既に歩み始めているのかもしれない。

 ヤクルトは現在、首位の巨人から21.5ゲーム差の最下位と、苦しい状況にある。そんな中でも日々、試行錯誤を続けながら成長を続ける若き主砲の姿は、ファンにとって大いなる希望の光と言っていい。(文・菊田康彦)

●プロフィール
菊田康彦
1966年生まれ。静岡県出身。大学卒業後、地方公務員、英会話講師などを経てフリーライターに転身。2004~08年『スカパーMLBライブ』、16~17年『スポナビライブMLB』出演。プロ野球は10年からヤクルトの取材を続けている。