日本のビーチのアンダーカテゴリーは、2019年の国民体育大会より少年の部が導入された影響で、バレー部の選手たちがビーチに取り組むというジュニア層は47都道府県に広がり、以前より厚みを増してきた。とはいえオールシーズン、ビーチで活動している選手はまだ一握りなのが現状だ。

 底辺の部分ではビーチ普及に尽力している関係者も存在するが、バレーとビーチの狭間にある目に見えない障壁に関係者たちは幾度なく頭を悩ませてきた。だが、ここにきてトップで活動している選手自身が、両立を宣言。「いろいろなことを経験して、いろいろな考え方が出てくるようになった」と述べる越川の発案は、底辺の根っこを変えようとしている。

 越川の新しい挑戦は、いま始まったばかりだ。(文・吉田亜衣)

●吉田亜衣/1976年生まれ。埼玉県出身。ビーチバレーボールスタイル編集長、ライター。バレーボール専門誌の編集 (1998年~2007年)を経て、2009年に日本で唯一のビーチバレーボール専門誌「ビーチバレーボールスタイル」を創刊。オリンピック、世界選手権を始め、ビーチバレーボールのトップシーンを取材し続け、国内ではジュニアから一般の現場まで足を運ぶ。また、公益財団法人日本バレーボール協会のオフィシャルサイト、プログラム、日本ビーチ文化振興協会発行の「はだし文化新聞」などの制作にもかかわっている。