子供は、自分の好きなことを否定されると、自分を否定されたような気持ちになります。「あなたらしくていい」「好きにすればいい」という方針で育てると、子供の自己肯定感が高くなります。(何を思いついても怒られない)という潜在意識にある自由さは、斬新なアイデアの源になります。

 将来、その子はとても良いアイデアを思いついたり、「変わってるね!」と言われながらクリエイターとして活躍するかもしれません。人生の途中で、子供の時にハマったことが、何かしらのヒントになることがあります。それを親に否定されてしまったら、大切なヒントがつぶれてしまいます。「子供の好きを否定しない」という方針は、意外にも難しいものです。大人は、無意識に子供の自由を奪うことがあるからです。

 例えば、「お兄ちゃんらしくしなさい」などの役割を強制する言葉です。本来その子はお兄ちゃんとして生まれたわけではありません。その子らしくしていればいいのに、いつしか「お兄ちゃんだから」「お兄ちゃんなのに」という言葉が、子供の自由さを奪ってしまいます。同様に、「男の子だから」「女の子だから」という言葉も、悪気がないのに出てしまう言葉の一つです。ピンク色のランドセルを選ぶ男の子に、「こっちの方がいいんじゃない?」と誘導する大人もいます。ピンク色が好きという子供の気持ちに制限をかけています。

 子供に「こうあってほしい」を押しつけたり、すすめたりせずに、「あなたらしくてすてき」と、その子の存在やアイデンティティーをまず認めることが重要だと思います。どんな形で、それが大人になってから実るかわからないからです。特にYouTuberのような何かを作る仕事は、子供の頃の体験や、自分の経験がいきる仕事です。子供が将来どんな職業について、どんな仕事をするのかはわかりませんが、その子の好きなことを肯定することは大切なことです。