早期に見つかる前立腺がんの監視療法とは 10年近く経過する人も

がん

2020/09/26 17:00

 残念ながら、これらのホルモン療法で効果がない、あるいは次第に効果が低くなってくるケースも少なくない。その場合は、抗がん剤治療を併用する。

 抗がん剤のドセタキセルは、外来で3~4週間ごとに点滴する。副作用としては、悪心、食欲低下、しびれなどが挙げられる。ドセタキセルで効果がみられない場合は、14年に保険適用となったカバジタキセルを用いる。カバジタキセルでは感染症にかかりやすくなる点に注意が必要だ。

 転移がんについては、どうだろうか。

 転移部位の約9割は骨だ。ホルモン療法は転移がんの場合でも、90%以上に効果があるとされている。とくにアビラテロンは、これまで去勢抵抗性前立腺がんにのみ保険適用だったが、18年に転移数が多い転移がんに対しても、初回から使用することが認められた。また、16年には骨転移に対して、ラジウム223という放射線医薬品が保険適用になった。

 じつは前立腺がんと診断された人の15~16%は、転移がんがある状態で見つかり、手術適応外となり、最初からホルモン療法と抗がん剤治療がおこなわれるという。東邦大学医療センター佐倉病院泌尿器科教授の鈴木啓悦医師は次のように話す。

「再発例、転移例でも進行はゆっくりのケースが多いです。また、去勢抵抗性前立腺がんの治療法が増えたことで、転移がわかってから3年で亡くなる確率は1~2割程度に下がっています。前立腺がんにかかわる遺伝子をターゲットにした、分子標的薬の開発も進んでいます。焦ることなく、治療法を上手に組み合わせて、前向きに治療に臨んでください」

 なお、前立腺がんの手術に関して、週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2020』では、全国の病院に対して独自に調査をおこない、病院から回答を得た結果をもとに、手術数の多い病院をランキングにして掲載している。同ムックの手術数ランキングの一部は特設サイトで無料公開。
「手術数でわかるいい病院」https://dot.asahi.com/goodhospital/

(文・別所文)

≪取材協力≫
日本医科大学病院 副院長・泌尿器科部長・教授 近藤幸尋医師
東邦大学医療センター 佐倉病院院長補佐・泌尿器科教授 鈴木啓悦医師

※週刊朝日ムック『新「名医」の最新治療2020』より

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