メジャー時代に人生初の退場を経験したイチロー (c)朝日新聞社
メジャー時代に人生初の退場を経験したイチロー (c)朝日新聞社

 野茂英雄がパイオニアとなって道を開拓して以降、多くの日本人プレイヤーがメジャーリーグでプレーするために海を渡った。

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 日本の高いレベルの野球をアピールするとともに、真面目にもくもくと役割をこなすチームへの献身さなども現地で高い評価を受けている。だが、元来「品行方正」なイメージのある日本人選手も時に感情をむき出し、退場になる場面などもあった。

 日本では一度も退場の経験がないイチローも、審判への怒りを抑えきれず人生初の退場を経験している。

 当時マリナーズのイチローが思わず審判に侮辱行為をしてしまったのは2009年9月26日のブルージェイズ戦。5回の第3打席目、0-2と追い込まれたイチローは相手左腕パーシーが投じた外角へのストレートをボールと判断し見送る。選球眼抜群のイチローは当然のごとく1-2から次の投球を待とうとするが、球審がストライクと判定し、三振のコール。

 試合中は滅多に感情をあらわにしないイチローも、堂々と見送った球がストライクと判定されたのだから怒りが収まらない。三振をコールする球審を横目に、バットでボールが通過したコースの線を地面に引き示したのだ。「お前の眼は節穴だ」と言わんばかりのこの行為が侮辱行為ととられ、人生初の退場処分となった。

 テレビ中継では、その後に打席を上から撮影したスロー映像が流れるのだが、投球コースはまさにイチローが「ここだ」とバットで引き示したところを通過していた。もちろん、審判の判定が絶対であり、侮辱行為は褒められたものではないが、退場の場面でも“凄さ”を示すあたりは「さすがイチロー」といったところか。

 そのイチローの一番弟子でもある川崎宗則もブルージェイズ時代に退場を経験している。

 メジャーでは日本時代のイメージとは違う“ぶっ飛んだキャラクター”で人気を博し、どちらかというコミカルな部分が報道されていたが、やはり生まれは鹿児島の九州男児。内に秘めた熱い思いが溢れて、退場を宣告されてしまったことがある。

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川崎は審判の目の前で…