「戦力としては厳しいが、2人にしかできない重要な役割も期待されている」とスポーツ新聞記者は続ける。

「内海は社会人としてのルールや常識にも厳格。西武ではコンプライアンス違反者が続出している。周囲の空気を読めるし、誰にでもしっかりと意見することもできる。また口だけでなく自らも行動する。内海が1軍帯同することでチームの規律を誰もが順守するのではという声がある。いわばチーム内の風紀委員長ですね」

 西武では金子侑司、佐藤龍世、相内誠と『コロナ禍の中で不要不急の外出自粛』という球団令に違反する者が続出。佐藤は同時に道路交通法違反も犯している。球団としては頭が痛く、何らかの対策を講じなくてはならない。そういった意味でも内海の存在は大きいのかもしれない。

「鳥谷は独特のセンスが話題となり、球界きってのファッションリーダーとして有名。ロッテはSNSなどを駆使しグラウンド外の話題を作り出すことに超積極的。昨年は定期的に新人・藤原恭大の私服特集を行なったほど。コアなファン以外にも話題になりそうな鳥谷企画を作りどんどん起用するようです」

 ロッテではこれまでも熱烈な応援や、ビールの売り子などを売り出して野球以外の話題も広く提供してきた。全国区の知名度を誇る鳥谷の存在は、まさにうってつけである。

 新型コロナウイルスの影響で試合数が減少、5000人の入場者制限は19日から収容人数の50%に緩和されるものの、各球団とも収入は大幅に減少。このままでは球団存続問題に発展する可能性さえあるかもしれない。伝統ある日本プロ野球は今、大きな危機であり転換期を迎えている。大事なのはプレーとともに、球団、選手のイメージを良くすること。ファン離れを防ぐことと、新しいファンを取り込んでいくことが必要。それを考える中で可能なことは何でもしなければならない。

 風紀委員長とファッションアイコン。「野球選手がそこまで?」とも思えるが、今はそういう時期だと割り切るしかない。その中で内海と鳥谷が素晴らしいパフォーマンスを見せてくれれば、ファンからすれば何も言うことないだろう。