もうちょっと考えて、よりよく暮らしたほうがいいと思うんですよ。マスクつけたからってコロナに対して無敵ではない。マスクつけて、電車内でベラベラ大きな声でしゃべったら、それはそれで違うぞって。

 でも、それを注意過ぎても、自粛警察やマスク警察みたいになってしまう。「おい、おまえ、マスクしろよ!」って言われても「いや、この人、ずっと下を向いて黙っていて飛沫は飛びませんから!」ってこともある。

 飛沫が問題なわけだから、もしかしたら、マスク警察からすれば「こいつはくしゃみをするかもしれないじゃないか!」というかもしれないけれど、「いやいや、くしゃみしてないですから」ってこと。ひとつひとつの冷静な判断が大切で、街を歩いていて「なんであの人マスクしてないの?」という目線で見るのもおかしな話なんです。

 なにがなんでもマスクをつけなければいけないという風潮をメディアもみんなも作ってしまったからそうなってしまったけど、よくよく考えたら「いま、マスク外してもよくない?」という場面はいっぱいある。それが、コロナ禍によって出てきた「小さな生活の問題点」だと思うんです。

 コロナ禍における生活の問題点で、うちの事務所の後輩が怒っていて、僕も調べてみたんだけど、東京都心のレンタサイクル、ありますよね? あのレンタサイクルで使える自転車がほとんどないという状態になっているんです。

 充電式のバッテリーがついているタイプの自転車ですが、充電が切れていたり、パンクして乗れないこともあるそう。後輩はライブの稽古が夜中にあって、電車で稽古場に行ってレンタサイクルで帰宅するということでよく利用をしていたんです。「どれも使えないし、バッテリーはほぼ充電されていない!」って話していました。それは、利用している人にしかわからない生活の問題点ですよね。

 ひとつの原因は、自粛生活によって依頼が増えた食品デリバリーの人たちが多く利用していますよね。もともとは、東京五輪に向けて移動や観光に利用の促進を始めたことで、コロナになって、まさか食品デリバリーの人たちがこんなに使うとは思っていなかった。

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食品デリバリーを装い、あるモノを運ぶケースも