陰性の場合には、プリックテストや負荷試験をおこなう。これらの検査で陽性の場合は、小麦食品を食べた後は2~3時間運動をしてはいけない。

 また、そばのアレルギーはやっかいな場合が多いという。

「そばは負荷試験もできませんし、からだが慣れることもありません。ごく微量でも反応が出ます。立ち食いそば屋で、うどんを食べたはずなのに、ゆで汁のなかにそばが混入していただけでも発症します。ある患者さんの例では、よく調べたら、食品工場の生産ラインでごく微量のそば粉が混入した食品を食べただけで反応したというケースもあるくらいです」

 食物アレルギーでつらいのは、好きな食品なのに食べられないという場合だ。ただし、口に入れただけで違和感のあるようなものは、口の粘膜が反応しているということなので、食べるのはやめたほうがいいという。

「食品の種類や調理法で食べられる場合もあります。たとえば、エビといっても車エビ、ブラックタイガー、サクラエビ、シャコなどいろいろです。シャコだけ反応が出ないなんていうこともあります。フルーツアレルギーの女性がスイーツを食べられずにつらいと訴えることも多いです。どうすれば食べられる場合があるか、医師と相談してアドバイスをもらうことも大切です」
 
 安全に安心して日常の食生活を楽しむためには、食物アレルギーの疑いがありそうだと感じたら、すぐにアレルギー専門医を受診してほしい。アレルギーを引き起こしている食物を特定して、日常的に食べないようにする、もしくは食べられるような調理法などを身につける、そういった対処法も大切だと藤本医師はアドバイスをくれた。(文・伊波達也)